アクセンチュアとアドビ、マーケティング変革を加速する業界特化型の生成AIソリューションを共同開発

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2024/04/05 10:00

 アクセンチュアは、アドビとの20年以上にわたる協業体制を戦略的に強化して、アドビの画像生成AIツールであるAdobe Firefly(アドビ ファイアフライ)を活用した業界特化型のソリューションを共同開発し、コンテンツサプライチェーンのさらなる変革を支援することを発表する。本協業体制の強化により、企業はパーソナライズされたコンテンツを大規模に展開させることが可能になる。

 アクセンチュアは、Adobe Firefly のCustom Modelsをアクセンチュア ソングが提供するマーケティングサービスに統合する。これによって、顧客が保有するデータやクリエイティブアセット、ブランドガイドラインにもとづいて独自に開発されたAIモデルの学習に必要な知見を顧客に提供する

 Fireflyは安全に商用利用できるよう設計されており、Fireflyサービスのほか、Adobe Creative Cloud(アドビ クリエイティブ クラウド)やExperience Cloud(エクスペリエンス クラウド)のアプリケーションから、APIを介してアクセスすることもできる。Fireflyはブランドスタイルやデザイン言語に沿ったコンテンツを生成するため、マーケターは運用データや効果にもとづいてテンプレート化されたキャンペーンを構築し、継続的な改良を加えていくことが可能になる。このアプローチによってコンテンツ作成プロセスを合理化させ、人手を要する作業の軽減が実現する。

 両社で開発するソリューションは、まず小売・消費財、自動車、金融サービス、ヘルスケア業界を対象とする。本ソリューションには、アクセンチュアが持つ広範なデータ、AIエンジニアリングに関するスキルや責任あるAIの実現に向け体系化されたアプローチ、首尾一貫したブランド体験の構築支援など、さまざまなサービスが組み合わされる。さらに、アドビの生成AIを活用する広範なソリューションや顧客のシステムとも連携させることで、顧客はグローバル全体で一貫性がありつつも、各地域で共感性が高く、業界に特化したコンテンツを迅速に作成できるようになる。なお、アクセンチュアのエンジニアはAdobe Fireflyに関する知識のさらなる研鑽を重ね、生成AIキャンペーンを展開する顧客企業を強力に支援する。

 アクセンチュア ソングのCEOを務めるデビッド・ドロガ(David Droga)氏は次のように述べている。「今日のブランドは、生成AIの試験的導入に留まらず、大きな成果を生み出す方法を模索しています。世界中のオンライン市場で製品データや画像を展開する消費財企業や、患者の安全に関するブランド基準を担保するヘルスケア企業など、広く展開可能な生成AIソリューションに対する需要は高まりを見せています。アドビとアクセンチュア ソングのテクノロジーを駆使してクリエイティビティを融合させることで、マーケターはクリエイティブ資産の開発やコンテンツサプライチェーンの変革を加速できます」

 アクセンチュアの調査によると、経営層は生成AIの可能性に前向きで、回答者の97%が「生成AIが自社や業界に変革をもたらす」と考えています。一方、生成AIの取り組みに本格的な投資を開始したと答えたのはわずか31%でした。アクセンチュアは今後も、業務改革、組織変革、責任あるAIの導入を支援するさまざまなサービスをお客様に提供していきます。

 アドビのデジタルメディア事業部門代表であるデイビッド・ワドワーニ氏(David Wadhwani)は次のように述べている。「企業は、パーソナライズされた体験を提供し顧客と繋がることができる、かつてない機会を得ています。Fireflyは、業界を牽引するアプリケーションと業務の自動化に向けたAPIを通じて、コンテンツ生成から編集、アセンブリまで、あらゆる生成機能を強化する企業向けソリューションです。アクセンチュアと共に、世界中の企業がAIの力を活用できるソリューションを作り上げ、実装できることを嬉しく思います」

 アクセンチュア アドビ ビジネス グループを統括するジム・ラロンド(Jim LaLonde)氏は次のように述べている。「アクセンチュアのテクノロジーや業界に関する知見、そして20年以上にわたるアドビとの協業体制のもと、業界固有の生成AI機能を開発、提供し、企業から新たな価値を引き出していきます。アドビと協働し、お客様が次世代の体験を生み出すことができるよう、人材やテクノロジーへの投資を続けてまいります」

アクセンチュアのマーケティング組織内でのAdobe Fireflyの活用について

 本取り組みの一環として、アクセンチュアは自社のマーケティング組織においても、創造力を高めてクリエイティブなコンテンツをより迅速に制作できるようAdobe Fireflyを活用する。アクセンチュアは、独自のブランドスタイルとデザイン言語を用いたFirefly Custom Modelを使用して、サービスを提供する19の業界ごとにコンテンツをカスタマイズする。

 アクセンチュアの最高マーケティング・コミュニケーション責任者(CMO)であるジル・クレイマー(Jill Kramer)氏は次のように述べている。「生成AIの活用は、すでに試験的導入期から実装、価値の実現期へと移行しており、この流れはアクセンチュアも例外ではありません。マーケティングの専門家が安全な社内環境で、生成AIツールを活用しブランド資産に基づいたコンテンツの創造が可能になります。アドビとの協業により、すぐにでも世の中に展開できるマーケティング素材の作成を加速させることが叶います」

 本発表は、2023年3月に発表した、アクセンチュアとアドビのコンテンツサプライチェーンに関する協業(英語リリースへリンク)にもとづき、マーケターがパーソナライズされた顧客体験を提供するためのコンテンツを、大規模、かつより効果的に作成、提供することを支援するもの。また、生成AIに関する取り組みは、2023年6月にアクセンチュアが発表したデータとAIへの30億ドルの投資の一環。アクセンチュアではWriter.comへの投資や、世界各地での生成AIスタジオの設立、専門的なサービスなど、生成AIに関する活動を加速しており、お客様のニーズに最適化させた独自の大規模言語モデル構築を支援している。