アドビ、フェイク情報への懸念と生成AIの影響についてグローバル調査を実施

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2024/06/27 10:00

 アドビは、米国、日本、欧州を含む世界6,000人以上の消費者を対象に、インターネット上でフェイク情報に遭遇した経験や、生成AIがもたらす影響への懸念などについて、グローバル調査Future of Trust Studyを実施した。

主な調査結果

近年オンライン上で情報の透明性を確保することが困難になり、消費者は誤情報が拡散することについて危機感を感じている。

  • 多くの消費者(米国70%、日本68%)が、オンラインで接するコンテンツが信頼できるかどうかを確認することが難しくなっていると述べている。
  • ほとんどの回答者(米国84%、日本83%)が、オンラインで接するコンテンツが改ざんされやすく誤情報になることに懸念を表明している。
  • オンライン上の情報に対する透明性への関心はより高まっており、過半数以上の回答者(米国 76%、日本57%)が、コンテンツが生成AIで作られたかどうか判別できることが重要であると回答している。

デジタルコンテンツへの信頼が低下する中、消費者は選挙の公正性の担保に懸念を抱いている。

  • 今年は世界各国で重要な選挙が行われ、40億人以上の有権者が選挙に参加することになるなか、多くの消費者(米国80%、日本73%)が、誤情報や有害なディープフェイクが将来の選挙に影響を与えるだろう、と考えていることが判明した。
  • 閲覧しているオンラインコンテンツが真実かどうかを判断するためのツールが普及していないため、選挙候補者がプロモーションコンテンツに生成AIを使用することを禁止すべきと、多く(米国78%、日本61%)が回答している。
  • 消費者の大多数(米国83%、日本72%)は、政府とテクノロジー企業が協力して、ディープフェイクや誤情報から選挙の公正性を守るべきだと考えている。

コンテンツを共有する前に情報源の信頼性を確認する際、消費者はコンテンツが真実であるかどうかを確認するためのツールとメディアリテラシースキルを持つことが重要であるとの考え。

  • 多くの消費者(米国88%、日本77%)は、オンラインコンテンツが信頼できるかどうかを確認するための適切なツールが不可欠であると考えている。
  • 誤情報に対する懸念は、それが子どもに及ぼす潜在的な影響についても及んでおり、ほとんどの消費者(米国84%、日本78%)が、学校のカリキュラムの一環としてメディアリテラシーを子供たちに教えるべきだと回答した。

生成AIの安全な利用と、デジタルコンテンツの信頼性向上へ

 アドビの本調査により、オンライン上の誤情報やディープフェイクに関する懸念、および生成AIがデジタルコンテンツの透明性に与える影響について、世界で関心が高まっていることが明らかになった。

 アドビは以前より、説明責任、社会的責任、透明性というAI倫理原則に従い、AIを開発してきた。その中で、コンテンツがどのように作成、変更、公開されたかの重要な情報を提供し、改ざん検知を可能にする、いわば「成分表示ラベル」のような役割のメタデータであるコンテンツクレデンシャルの普及に取り組んでいる。

 また、アドビはデジタルエコシステムの信頼性の向上のために2019年 Content Authenticity Initiative(コンテンツ認証イニシアチブ、CAI)を設立した。現在、CAIはテック、政策、およびメディアに関連する企業、クリエイティブプロフェッショナル、研究者など3,000以上のメンバーを擁するグローバル組織に成長し、デジタルコンテンツに透明性を持たせるために協力している。今後日本でも、多くのメディアや企業の参加が期待される。

 アドビは今後も、コンテンツエコシステム全体の透明性を確立し、デジタルコンテンツへの信頼を高めながら、責任あるテクノロジーの構築を進めていく。