デジタルプロダクト、ソフトウェアをデザイン・構築するためのプロダクト開発プラットフォーム「Figma」を提供するFigma, Inc.は、5年ぶりにブランド・アイデンティティをリフレッシュしたことを発表した。今回のリフレッシュでは、プロダクトデザインおよび開発プラットフォームが、あらゆるクリエイターにサービスを提供するためにどのように成長し進化してきたかを反映している。
Figmaのクリエイティブディレクター、Damien Correll(ダミアン・コレル)氏は次のように述べている。「ブランドのビジュアルは、企業がどのように社会に姿を現すかを語るものです。Figmaが成熟し、新たなオーディエンスを迎える中で、このリフレッシュは社内外での変化を示すシンボルとなります。私たちはFigmaの未来を見据え、柔軟性と成長性を兼ね備えた、より包括的なブランドイメージを構築しました」
Figmaは、ブランドリフレッシュにともない、初のフルファネルブランドキャンペーン「Make. Believe.」を開始した。FigmaユーザーやコミュニティメンバーがFigmaで作成したアプリ、イラスト、ゲーム、その他の作品を紹介する動画やビジュアルが、NYのタイムズスクウエアなどアメリカの複数の都市で展開されている。
Figmaは2012年、チームがユーザーインターフェイスをデザインするためのツールとしてスタートした。その後、アイデア出しやブレインストーミングのためのFigJam、プレゼンテーション用のFigma Slides、デザインをコードに変換するためのDev Modeを発表。現在でもデザイナーはFigmaコミュニティの中心にいますが、週間アクティブユーザー(WAU)の3分の2は開発者、プロダクトマネージャー、その他の共同作業者であり、その80%がアメリカ以外に拠点を置いている。
今回発表された新しいブランド・アイデンティティは、デザイナー、開発者、プロダクトマネージャー、マーケティング担当者など、多様なクリエイターに向けてFigmaがどのように進化してきたかを反映している。
デザインコンセプト
今回のブランドリフレッシュでは「Build by Design(デザインを通じて形にする)」というブランドコンセプトを軸に展開されている。これは、デザインを単なるスキルや部署、またはプロセスの一部にとどまらない、より広範な存在として再定義することを目指しており、以下の3つのコアとなる信念にもとづいている。
- デザインはすべての人のもの:イノベーションは、誰もが参加することで生まれる
- 想像が差別化の鍵となる:創造性と品質が融合することで、優れたクリエイティブが実現する
- アイデアは始まりに過ぎない:アイデアを実現する「Build」というアクションが重要
Figmaの新しいビジュアルコミュニケーションは、Figmaの遊び心あふれるデザイン中心のルーツを大切にしながら、大胆で新しいデザインシステムを導入し、それがすべての主要な要素に反映されている。
Figma社内のブランドスタジオは、Figmaのプラットフォームの強力なツールを駆使して、リフレッシュに伴うすべてのイラストをデザインした。チームは、イラストの基盤となる汎用性の高いシステムを開発し、それをモーションアニメーション化することで、反復やコラボレーションのプロセスを表現。各グラフィックは、ブレインストーミング、デザイン、構築といったプロダクト開発におけるそれぞれのフェーズを抽象的に表現している。
さらに今回Figmaは、ビビッドな原色や鮮やかなネオンカラー、落ち着いたアースカラーなど、より幅広いカラーパレットを採用している。新しいカラーパレットは、Figmaのトレードマークであるロゴアイコンにも反映されており、すべてのブランドアセットにおいて調和のとれたカラーリングとなっている。
また、Figmaのカスタムフォントの「Figma Sans」を新たに採用し、視認性や機能性を損なわず、ビジュアルをサポートするデザインになっている。くわえて、「Figma Condensed」「Figma Mono」「Figma Hand」の3つのフォントも生まれた。
「Make. Believe.」キャンペーン
Figmaは、ブランドリフレッシュにともない、初のフルファネルブランドキャンペーン「Make. Believe.」を展開する。「Make. Believe.」は、アメリカでもお馴染みのフレーズにひねりを加え、Figmaで大きなアイデアを形にする力を表現したもの。このキャンペーンは、Figmaのメンバーが日常業務を離れて新しいプロジェクトに取り組むことを後押しする「メーカーウィーク」など、Figmaのカルチャーを反映している。
また、クリエイティブには「ideate, co-create, innovate, validate, iterate(アイデアを出し、共に創造し、革新し、検証し、反復する)」といったチームコラボレーションの多様な側面を表すメッセージや、「developed for designers, designed for developers(デザイナーのために開発され、開発者のためにデザインする)」という、Figmaの多様なユーザー層を意識したフレーズが含まれている。
Figmaは、アメリカとカナダでキャンペーンを展開するため、屋外広告キャンペーンを試験的に実施している。ニューヨークのタイムズスクエアのビルボードには、Figma for Educationプログラムに参加する実際のFigmaユーザーやコミュニティメンバー、学生の作品が登場。本キャンペーンはソーシャルメディアでもグローバルに展開されており、シュールなCGIアートを用いて実現した、Figmaのツールのひとつである付箋紙で覆われたビルボードは、キャンペーンを象徴するクリエイティブのひとつ。
CGIアートを用いたビルボードの様子
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— Figma (@figma) September 16, 2024