ヤマハ、ブランド発信拠点&研究開発のサテライト施設「Yamaha Sound Crossing Shibuya」をオープン

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2024/11/18 07:30

 ヤマハは、2024年7月にまちびらきが行われた大規模複合施設「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」(東京都渋谷区桜丘町)内のSAKURAサイドに、若者に向けたブランド発信拠点であり研究開発のサテライト施設としても活用する「Yamaha Sound Crossing Shibuya」(ヤマハサウンドクロッシング渋谷、以下YSC渋谷)をオープン。新しい音楽や文化のトレンドを生み出す渋谷で、おもにアーティストやクリエイターに向けた情報発信を行うとともに、日本の音楽をけん引するミュージシャンなどと連携する開発拠点と一般向けの体験型スペースを設けることで、10代から20代の若者世代に向けたブランディングを強化していく。

Yamaha Sound Crossing Shibuya
Yamaha Sound Crossing Shibuya
外観
外観

 YSC渋谷は、一般のユーザーが自由に利用できるブランド体験施設「LAB(ラボ)」(SAKURAサイド3階)と、研究開発のサテライト施設「LOUNGE(ラウンジ)」(SAKURAタワー8階、一般非公開)のふたつで構成される。

LAB

 SAKURAサイドの広場・にぎわいステージに面した「LAB」は、新しい音楽を生み出し、音楽を表現・発信することに関心を持つ若者や、アマチュアのミュージシャンなどの一般の人々に向けて、最新の楽器や音楽を紹介する体験型の施設。製品や最新テクノロジーを体験する「エクスペリエンス」エリア、配信も可能なライブエリア「ステージ」、最新技術のプレゼンテーションの場となる「スタジオ」、オリジナルコーヒーやクラフトビールなどを提供する「カフェ」を備え、新しい音楽・文化・ムーブメントを生み出す拠点となることを目指す。

LOUNGE

 ミュージシャンやアーティスト、クリエイター、異業種企業の人々などを招いて、リレーションを深め、ともに新しい音楽や楽器を創造していく研究開発のサテライト施設(一般非公開)。同社の研究開発者が、音楽や文化の発信地である渋谷を拠点にして、さまざまな人材と交流を持つことで新しい価値創造につなげる。

 新しい音楽の表現と発信を目指す「LAB」と「LOUNGE」が連携することで、来場者やゲストの創造性を刺激し、新しい音楽トレンドの創出や楽器に関する各種イノベーションを推進していく。

施設紹介

コンセプト「Sound Crossing」について

 同社が1970年代に渋谷に開設したスタジオ「エピキュラス」は、数多くのアーティストを輩出し、新しい音楽のトレンドを生み出した。その渋谷に開設するYSC渋谷のコンセプトは“Sound Crossing”で、「偶発的なイノベーションが起こる、音・音楽を通したつながりが生まれる場所」という意味を持つ。渋谷の象徴であるスクランブル交差点のように、音と音、技術と技術、人と人、さまざまな要素が交じり合い境界を超えていき、新しい何かが生まれる場所になることを願い、この言葉をコンセプトと施設名に掲げた。

 自由に体験できる「LAB」と、日本の音楽シーンや文化をけん引するミュージシャンなどの利用を想定した「LOUNGE」のふたつの異なる機能を持つ施設がつながって刺激し合い、新たな音楽の創造や表現・発信を生み出すことを目指す。

 館内は、ハイスペックな楽器や音響機器などがそろいミュージシャンたちが集まる舘「Musician's Share House」をイメージした空間デザインを行い、クリエイティビティや遊び心の感じられる空間を演出する。

1.「LAB」(SAKURAサイド3階)

 音楽を表現・発信することに関心を持つ若者や、アマチュアのミュージシャンなど一般のお客様を対象に、テクノロジーに特化した音楽の現在と未来を発信するフロア。最新の楽器や機材、技術が体験できるほか、ワークショップや、8階に設けた「LOUNGE」や自治体などとのコラボ企画などを通じて、来館者の創造性やアイデアを刺激し、新しい音楽が生み出される場所になることを目指す。また、来館者とのコミュニケーションを通じたマーケティング活動も展開する。

1-1.EXPERIENCE(エクスペリエンス)

バンドやステージパフォーマンス向けの楽器を中心とした、最新楽器や音響機器、配信機器を展示し、体験機会を提供する。また、音楽制作機器や配信機器についてのワークショップも定期的に開催予定。さらに楽器・音楽制作について気軽に相談できるスタッフが常駐している。

展示アイテム
  • 楽器:ギター、電子ドラム、シンセサイザー、ハイブリッドピアノ、サイレントシリーズなど
  • 音楽制作:VOCALOID、オーディオインターフェイス、ミキサー、ライブ・ゲーム配信機器など
1-2.STUDIO(スタジオ)

配信機器などの設備を完備し、同社の先端テクノロジーを用いて、楽器・音楽・音響情報を世界に向けてインタラクティブに発信するスペース。

展示機器・システム/使用例
  • 演奏をデジタル技術で再現する「Real Sound Viewing」の実演・演奏の配信
  • 「ステージ」との連携によるイベントの実施・配信
  • 企業ミュージアム「イノベーションロード」やヤマハのブランドショップと連携したイベントの実施・配信など
1-3.STAGE(ステージ)

楽器や音響機器などを完備した、ライブやイベントを開催するスペース。フレキシブルな会場づくりが可能な開閉式で、小規模なライブのほかにも、「エクスペリエンス」エリアや「カフェ」と連結して使用することもできる。

使用例
  • ライブ/商品デモンストレーション/セミナー/ユーザー向け体験イベント/配信ライブ/人材発掘(オーディション)など
1-4.CAFE(カフェ)

 スペシャルティコーヒー専門店Scrop COFFEE ROASTERSが監修した「渋谷×音楽」をテーマとしたオリジナルコーヒーや、創業100年を誇る佐々木製茶(静岡県掛川市)による深蒸し茶を使用した抹茶ラテやほうじ茶ラテなどこだわりのオリジナルメニューを提供する。また、同施設限定のクラフトビールや「葡萄ミルクティーINゼリー」なども用意。さらに、飲食をしながらライブや配信動画を楽しんでもらうモニターも配置する。

2.「LOUNGE」(SAKURAタワー8階)

 先端技術の体験や実験を行う研究開発のサテライト施設(一般非公開)。ミュージシャンやアーティスト、クリエイターなどを招いてリレーションを深め、共創活動を推進するほか、新製品のエバリュエーションやプレゼンテーション、新製品発表会など多目的に活用する。フロア内は「MUSICIAN'S SALON」をテーマに、創造性を刺激するような、遊びや楽しさのある空間設計を行う。

 また、IT企業やスタートアップ企業が集積し、デジタルイノベーションの地でもある渋谷の立地を生かし、異業種企業やメディアとの交流拠点としても活用し、浜松市の本社や横浜市に開設した「首都圏R&D拠点」と連携することで、音楽や楽器の研究開発を促進する。

2-1.ラウンジ

天井に施した音叉(おんさ)のマークがゲストを出迎え、くつろいでいただけるラウンジを開設する。音楽や楽器の過去・現在・未来を感じて創造のヒントにしてもらえるよう、名品と評価されている歴代の製品や、最新の製品・技術を展示する。

2-2.応接室・防音室

「プロアーティストの仕事部屋」をイメージした応接室は、音出しをしながら、各部屋をつないで会議やレコーディング、ラフセッションができるデジタルネットワークを整備している。防音室は、商品企画開発や次世代素材・機能のエバリュエーションなどの研究開発に活用する。