電通デジタルは、現代の生活者のインサイトや購買行動の変化を捉えた新たなマーケティングアプローチ「偶発購買マーケティング」を用いた支援サービスの提供を開始する。
近年、SNSの進化や生成AIの普及により、生活者が情報と接触する方法が多様化・複雑化する中、偶発的な出会いを基点に消費に至る「偶発購買」が注目されている。これは、事前にある商品に興味を持って情報を調べ、意図的に購入する「計画購買」とは異なり、目的なく情報回遊をするなかで、商品をSNSで発見したり特定コミュニティから推奨される、もしくは店頭での偶発的な出会いをきっかけに生じる購買行動を指す。このような多様化する購買行動に対応するため、企業にはより柔軟なマーケティングアプローチが求められている。
「偶発購買マーケティング」は、国内電通グループが発案した「偶発購買デザイン」に着想を得て、同社の独自ソリューションと、多くのマーケティング施策を統合的に支援してきた実績や知見を横断活用した新たなマーケティングアプローチ。
特徴として、ファネルにおけるSNSの位置づけを従来の理解促進ではなく、需要創造の中核として捉えている。具体的には、クリエイティビティとデータを掛け合わせ、SNSを基点にコンタクト・ポイントを創出することで、商品やサービスと偶発的に出会い、購買に至るまでの「衝動買い」体験を設計する。これにより、新規層およびライト層ユーザーの需要創造を強化し、企業のさらなるマーケティングROIの向上を目指す。
「偶発購買マーケティング」の特徴
「偶発購買マーケティング」は、Insight Hack・Algorithm Hack・Idea Hackの3つの手法を用いた一気通貫の支援をすることで「衝動買い」体験の設計を実現する。
1.Insight Hack
SNS上のユーザーを趣味嗜好で区分した“トライブ”という集団で捉えて分析する電通デジタル独
自ソリューション「Tribe Driven Marketing」などを活用し、データドリブンなインサイト
発掘に基づいたブランド設計やデジタル基点でのコミュニケーション戦略を立案する。
2.Algorithm Hack
豊富なメディア運用実績と主要プラットフォーマーとの強固なパートナーシップをもとに、プラッ
トフォームのアルゴリズムやSNSコンテンツを研究する社内組織の知見や、「∞AI(ムゲンエ
ーアイ)」をはじめとしたAIソリューションを活用し、高速PDCA によるメディアプランニ
ングの最適化を実施する。
3.Idea Hack
電通デジタルのクリエイティブ担当者の知見と生成AIをはじめとしたテクノロジーを掛け合わ
せ、質の高いクリエイティブアイデアを開発・実行。また、各専門領域による支援体制を
整え、インフルエンサーマーケティングやユーザー基点での顧客体験創出などをサポートする。
電通デジタルは、本マーケティングアプローチの推進を強化するため、戦略設計、クリエイテ
ィブ制作、アルゴリズム解析、アイデア開発における専門人財を集めた社内横断組織「偶発購買
マーケティングユニット」を結成した。これまで多くのクライアント企業を支援してきた専
門人財が、価値創造と顧客体験設計を統合的にプランニングし、既存商品・サービスのコミュニ
ケーション施策だけでなく、予兆分析に基づく新規商品・サービス開発の支援も行う。
今後も電通デジタルは、複雑化する生活者の購買行動に寄り添いながら、クリエイティビティ
とテクノロジーを活用し、新たな顧客体験の創造に貢献していく。