NEC、六本木にAI搭載の「スマート街路灯」を設置 デザインは石井幹子氏・石井リーサ明理氏

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2020/02/21 13:00

 六本木商店街振興組合および日本電気(以下、NEC)は、六本木の安全・安心で賑わいあるまちづくりに向けて、AIなどを搭載した「スマート街路灯」を2020年3月から2020年6月にかけて六本木のまちに20本設置する。

 今回設置するスマート街路灯は、2019年度の文化功労者に選ばれた照明デザイナーの石井幹子氏(株式会社石井幹子デザイン事務所代表)とパリを拠点に世界で活躍する石井リーサ明理氏(株式会社I.C.O.N.代表)がデザインしている。

 筐体には、LED照明、カメラ、スピーカー、サイネージを搭載しており、まちに関するさまざまなデータの収集や情報発信により、まちと来街者を双方向につなぐことが可能。

 石井幹子氏は、これまで六本木交差点を通る高速道路の桁下のデザイン照明(通称:六本木ライトストリーム)や六本木通りの街路灯デザイン、さらには東京タワーのライトアップなどを手がけており、スマート街路灯先進地区であるヨーロッパの事情をよく知る石井リーサ明理氏とともに、周辺環境と調和のとれた街路空間を演出する。

 また、NECグループのAIを活用した画像解析技術により、搭載したカメラの映像から、来街者の移動方向、属性(性別・年代)および人数を24時間リアルタイムに推定し、データに基づいた集客施策の改善、商店街のさらなる賑わいの創出に活用される。さらに、サイネージやスピーカーを活用し、地域のイベントや観光情報、防災情報を発信することで、より便利で快適なまちづくりを支援する。

 カメラの映像は、六本木商店街振興組合にて来街者の推定データ取得用途、六本木防犯カメラ運営協議会にて防犯用途で用いられるが、相互にアクセスできないよう、厳格にネットワークを分離して制御。来街者の推定データ取得に使用する際には、カメラの映像を推定データの生成後に即時破棄する。来街者個人が特定可能な情報は保存せず、統計情報である推定データのみを保存することで、プライバシーに配慮した仕組みを実現している。

 カメラ映像の運用については、個人情報保護法をはじめとした関係法令および「カメラ画像利活用ガイドブック」を遵守のうえ、関係各機関および有識者からの助言のもと、六本木商店街振興組合としてのガイドラインを独自に作成。約2年間、このガイドラインに沿った試行運用が無事に実施できたことで、今回の設置に至った。

 六本木商店街では「Art & Design」のまちづくりのコンセプトに基づき、安全・安心で賑わいあるまちづくりに取り組んでいく。またNECは、ユーザーやパートナー、市民、行政や国際機関などとの「共創」により、新たなビジネスモデルの創出に積極的に取り組み、ICTの力を最大限に活用した社会価値の創造を目指していく。