アップル、27インチiMacアップデート 全モデルにSSD採用、各ユーザー要望に応えるオプション用意

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2020/08/07 06:00

 Appleは、27インチiMacのメジャーアップデートを発表した。これまででもっともパワフルで高機能な同製品は、さらに高速になった最大10コアのIntelプロセッサ、従来の2倍のメモリ容量、次世代AMDグラフィックスを搭載、全モデルに超高速SSDを採用して、記憶容量が最大で従来の4倍に。また、Retina 5Kディスプレイには新たにNano-textureガラスオプションが加わり、1080pのFaceTime HDカメラ、より再現性の高いスピーカー、スタジオ品質のマイクを装備している。

 同製品の詳細なアップデート内容は、次のとおり。

最大10コアのプロセッサとメモリ容量の強化

 最新の6コアまたは8コアの第10世代Intelプロセッサによって、幅広いニーズにプロレベルのパフォーマンスで応える。27インチの同製品では初の10コアオプションを用意。このオプションを選択すると、Turbo Boost使用時で最大5.0GHz、CPUパフォーマンスは最大65%高速化できるという。また、メモリ負荷が高いアプリケーションの利用を想定し、メモリは最大で従来の2倍の128GBを搭載できる。

前世代の27インチiMac(8コア)と新しいiMacを比較した結果
  • Logic Pro Xのプラグインを最大65%多く利用可能。
  • Final Cut Pro Xでの8K ProResトランスコードは最大40%高速化。
  • Autodesk MayaのArnoldを使ったレンダリングは最大35%高速化。
  • Xcodeのビルド時間は最大25%高速化。

次世代AMDグラフィックス

 GPUベースのレンダリング、複数の4Kビデオストリームの編集、グラフィックスへの負荷が高いゲームのプレイにも最適な、次世代AMDグラフィックスを搭載。より高速で電力効率の優れた演算ユニットを使用した最新のAMD RDNAアーキテクチャをもつRadeon Pro 5000シリーズを搭載したことにより、グラフィックスのパフォーマンスが55%高速に。大容量のビデオメモリによってパフォーマンスが向上するプロ向けアプリケーションを使用するユーザーには、同製品初の16GBのメモリを搭載したグラフィックスオプションを提供。前世代27インチの同製品と比べて2倍の容量のビデオメモリを搭載できるという。

Radeon Pro Vega 48グラフィックスを搭載した前世代の27インチiMacと新しいiMacを比較した結果
  • Maxon Cinema 4D ProRenderで行うレンダリングは最大55%高速化。
  • Unity Editorで行うデモフライスルーは最大50%高速化。
  • 「Total War:HREE KINGDOMS」のゲームパフォーマンスは最大45%高速化。
  • Final Cut Pro Xのタイムラインレンダリングは最大30%高速化。

すべてのラインナップにSSDとApple T2 Securityチップを搭載

 27インチの同製品すべてのラインナップにSSDが標準搭載され、アプリケーションの起動や容量の大きなファイルを開く際に、最大3.4GB/sのパフォーマンスを実現。大容量のストレージが必要なユーザーには、同製品では今回初めて8TB SSDオプションを用意した。これは、前世代27インチの同製品と比較して4倍ものSSD容量になるとのこと。

 また、Appleが独自にカスタム設計した第2世代のシリコンであるApple T2 Securityチップを搭載。T2 Securityチップのストレージコントローラにより、SSDに保存されるあらゆるデータをオンザフライ暗号化し、ファイルとデータの安全とセキュリティを守る。さらに、T2チップは起動プロセス時にロードされるソフトウェアが不正に書き換えられていないことをチェックし、27インチの同製品およびT2チップを搭載するすべてのMacに、どのコンピュータよりも安全なストレージと起動プロセスを提供する。

Retina 5KディスプレイにTrue ToneテクノロジーとNano-textureガラスのオプションを用意

 1,470万以上のピクセル、10億色、500ニトの輝度とP3の広色域をもつ同製品のRetinaディスプレイは、没入感のある視覚体験を提供する。これらの精彩なピクセルが、印刷されたページのように見える繊細なテキスト、細かなディテールまで鮮やかに映し出される写真、4Kビデオをフル解像度で編集できる能力を実現。また、27インチの同製品の美しいRetina 5Kディスプレイは、ユーザーの環境光に合わせてディスプレイの色温度を自動的に調整するTrue Toneテクノロジーを採用している。

 同製品では、Pro Display XDRで初めて採用されたNano-textureガラスをオプションで選ぶことができ、明るい部屋や間接的な太陽光など、さまざまな光の状況下で画面を見やすくする。光を散乱させるために表面にコーティングする標準的なマット仕上げとは異なり、同オプションでは、ディスプレイ表面のガラスにナノメートルレベルの微細なエッチングを施すという革新的なプロセスを通じて生み出されているという。これにより、鮮明な画質とコントラストを保ちながら、反射率を最小限に抑えて光の映り込みを減らせるという。

強化されたカメラ、より再現性の高いスピーカー、スタジオ品質のマイク

 FaceTime HDカメラに1080pの解像度が備わったほか、T2 Securityチップのイメージシグナルプロセッサによる、トーンマッピング、露出コントロール、顔認識といった機能により、さらに高い品質のカメラ体験が可能に。また、強化されたカメラを補完するために、T2 Securityチップがスピーカーと連係してイコライザでサウンドを変化させるので、バランスがとれて原音に忠実な、低音域のレスポンスが向上したサウンドが実現します。さらに、新しいスタジオ品質のマイクアレイにより、ユーザーはさらに快適に使えるようになったFaceTime通話、Podcastの録音、ボイスメモなどに、同製品から直接高音質のオーディオを利用できるようになる。

21.5インチiMacとiMac Proにおけるアップデート

 Appleは21.5インチiMacのすべてのラインナップに、初めてSSDを標準搭載することを発表。ユーザーは21.5インチiMacでは、Fusion Driveの構成を選択することもできる。

 iMac Proに10コアのIntel Xeonプロセッサが標準搭載。ワークステーションクラスのパフォーマンスを必要とするプロフェッショナルユーザーのために設計されたiMac Proは、最大18コアのXeonプロセッサ、最大22テラフロップスにおよぶグラフィックパフォーマンス、最大256GBのクアッドチャネルECCメモリ、美しい27インチRetina 5Kディスプレイを特徴としている。

今秋登場、macOS Big Sur

 今秋には、iMacを無償でmacOS Big Surにアップデート可能。macOS Big Surは、デスクトップオペレーションシステムであるmacOSの最新バージョンとなる。macOS Big Surでは、新しくもすぐに馴染める美しい新デザインが導入されているほか、主要なアプリケーションもさらに強化されている。また、Safariには、カスタマイズ可能なスタートページ、さらに機能が増えたタブ、内蔵の翻訳機能、新しいプライバシーレポートなど、多数の新機能が搭載された。新しくなったメッセージアプリケーションでは、よりパーソナルで表現豊かなメッセージを送ることができ、グループメッセージ内で会話を追うことも容易にできるように。マップも大幅に新しくなり、世界各地を探索しながら臨場感あふれる体験ができるさまざまな機能が加わるとのこと。