日本HP、Cobra GolfがHP Metal Jet 3Dプリント技術を採用したゴルフクラブの限定モデルを発売

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2020/11/24 06:00

 イノベーティブなゴルフクラブを発表し続けるCobra Golfは、3Dプリンティング技術を採用した革新的な製品「KING SUPERSPORT-35パター」を、Cobra Golfとして初めて発表した。

 Cobra GolfのエンジニアとHP Inc.およびParmatechのチームにより開発された同製品は、3Dプリントにより、ボディに複雑な格子構造を備えたことで、重量配分を最適化した結果、最大限の慣性モーメントを実現した。前述した3Dプリントのデザインに加えて、SIK Golfと提携して設計されたフェースを備えている。このフェース構造は、SIKGolfが特許取得済みの、DLTテクノロジー(Descending Loft Technology)により、一貫性のある、正確な転がりを実現する。

 Cobra Golfは、HP Metal Jetテクノロジーが従来の製造方法やほかの3Dプリント方法と比べて優位性があることを理由に、ゴルフクラブの3DプリントのパイオニアパートナーとしてHPを選択。複雑な構造に対応でき、処理能力や開発における適応力も非常に早いため、エンジニアは、設計、プロトタイプの作成、テストを繰り返し行え、従来の製造方法よりも迅速な市場発表を可能とした。

 両社は2019年に協力を開始し、2020年の年初までの約8ヵ月の間に35の異なる設計を繰り返し、HP Metal Jetを利用することで、設計の自由度と製品開発に革新的なスピードをもたらした。同製品に加えて、両社は戦略的な複数年にわたる製品開発で協力しており、HPの積層造形の技術を生かした設計と製造の利点を活用して、将来的に高いパフォーマンスと、ゴルファーの満足度を引き上げる魅力あるゴルフ用品を提供する。2021年には、3Dプリント技術を採用した製品を2モデル追加する予定だという。

 同製品は、オーバーサイズのブレード形状で、フェース面には、SIK GolfのDLTテクノロジーにアルミニウム素材を組み合わせインサートした。これは、従来のスチール製のSIKパターよりも、柔らかなフィーリングをもたらす。DLTテクノジーは、4種類の段階的なロフトでデザインされており、このロフト設計は、どの部分でヒットしても一貫性のある安定した転がりを実現する。

 HP Metal Jet 3Dプリンティングは、優れた部品品質を提供し、仕上げ工程の後処理を最小限に。ボディ全体には、316 ステンレス鋼を使用して造形し、高温で焼結して金属を結合し、最終的なヘッド部分を形成する。HP Metal Jetの高度な造形機能により、エンジニアはボディ内に複雑な格子構造を造形することが可能となった。格子の微調整は、パターヘッド内の重量の分布を感じて最適化し、追加の固定重量を必要とせずに最高の慣性モーメントを実現する。

 製造プロセスの最終段階で、パターの表面はコンピューター数値制御(CNCマシンを使用して精密に加工され、最終仕上げをする。同製品は、最大の安定性を実現する高い慣性モーメントのヒールトゥウェイトデザインと、わずかなアークパッティングストロークに適した 35 度のフェースアングルを備えたクランクネックホーゼルのヘッドデザインだという。