ソニーとヤマハ発動機、MR技術搭載したエンタテインメント車両で「移動を楽しくする」サービスを開始

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2021/03/13 06:00

 ソニーは、ヤマハ発動機と共同開発したエンタテインメント車両Sociable Cart(ソーシャブルカート):SC-1を用いたサービス「らくがきクルーズ」を開始した。ヒトとクルマの新たなコミュニケーション機会を提供するもので、沖縄県中頭郡北中城村のイオンモール沖縄ライカムで開催している。

 同サービスは、人の視覚能力を超えるイメージセンサーを車両前後左右に搭載。360度すべての方向にフォーカスが合された映像を車内のディスプレイに映し出すことで、車両周囲の環境を一度に把握できる。加えて、搭載したイメージセンサーの超高感度な特性と内部に設置されたディスプレイの高い解像度により、昼夜を問わずライトなしに認識できることが特徴だという。また、ソニーが開発した複合現実感(Mixed Reality)技術を搭載しており、乗員がディスプレイで見ることができる周囲の環境を捉えた映像にさまざまなCGを幾重にも重ねることで、これまでの自動車やカートでは景色を見るだけであった車窓をエンタテインメント空間に変貌させて、移動自体をより楽しめるようにしている。

 同サービスでは、乗車による体験に加えて、乗車をしないSC-1周囲の人々も参画可能。会場で提供される「らくがきクルーズマップ」は、SC-1が周回する街を想定したビルや家、樹木などの輪郭の図形が記載されたぬり絵用紙。ユーザーが自由に色をぬり分け、また好きな画像などを追加したものを専用プログラムでスキャンすると、自動で立体的な3D CG映像の街に仕上がる。その後、ぬり絵制作者の子どもや家族がSC-1に乗車して、自分が創作したオリジナルの街中を車内のディスプレイを見ながらクルージングを楽しむことができる。

 また、専用用紙「らくがきカート」にオリジナルの車両をデザインして、この街中に走らせることも可能。車両前面と側面を手書きして専用プログラムでスキャンをすると自動で3D CG映像に仕上げられる。SC-1が周回する会場内中央に設置された大型モニターには街が構成されており、さまざまな車両とともに自分のデザインした車両が走行する姿を見て楽しむことができる。さらに、この車両は「らくがきクルーズ」乗車中にも現れ、走行の様子を見ることができるという。