在宅ワークを快適にするには機能的な空間とオフィス家具 気分転換も重要に/日鉄興和不動産・オカムラ調査

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2021/03/14 06:00

 日鉄興和不動産が運営しているシングルライフのための暮らし・住まいの研究所「+ONE LIFE LAB」(プラスワンライフラボ)は、今後ますます増加することが予想される在宅ワークの実態把握と、それを活かした単身者向けマンションにおける商品企画の必要性を認識し、オフィス家具メーカーのオカムラが運営する、働く環境や働き方などさまざまな活動やリサーチを行っている「WORK MILL」(ワークミル)プロジェクトとの共同調査を実施。得られた調査結果に基づく考察を発表した。

 同共同調査の主な結果は、次のとおり。

以前の生活と比較し約65%が不便さを感じている

 2020年3月末と比較して、自分自身の生活に不便さを感じているかを聞いたところ、「大変不便」14.3%、「少し不便」51.3%となり、3人中2人が不便さを感じていることがわかった。具体的には、旅行ができない、人に会えない、外食ができないなどの意見が挙がった。

在宅ワークは増加もしくは今後増加予定

 2020年3月末と比較した在宅ワークの頻度を聞いたところ、「在宅ワークの予定は今後無し」と答えた人は41.6%であり(外出しなければならない仕事を含む)、「在宅ワークが増えた」「今後増加していく予定」と答えた人が48.9%だった。

在宅ワークの良い点、日常生活では「時間の自由さ」、仕事では「個人作業を進めやすいこと」

 在宅ワークとなって良い点を聞いてみると、「通勤がないこと」が 69.1%、「移動時間が無くなったこと」が64.6%、「比較的時間が自由なこと」が 56.6%と半数以上の回答となり、いずれも時間に関することが上位となった。

 作業別に在宅ワークを行った際に効率が上がるかをたずねたところ、「個人で集中して行う作業」では72.1%の人が在宅ワークで行ったほうがはかどると答えている。オフィスにいるときよりも邪魔をされる要素が少ないためだと考えられる。

在宅ワークの日常生活における課題点は「運動不足」

 在宅ワークの課題点を聞いてみると、「運動不足になる」が 58.1%、次いで「光熱費が上がる」が 48.0%、「仕事のオン・オフが切り替えづらい」が 47.4%という結果だった。

もっとも仕事をしたい場所は「自分のオフィス」が5割以上

 在宅ワーカーにニューノーマルにおいてもっとも仕事をしたい場所を聞いたところ、「自分のオフィス」と答えた人が半数を占め、ほかの選択肢を大きく引き離してトップとなっている。

オフィスが快適な理由は「空間的な余裕」

 在宅ワーカーにオフィスが快適だと感じる要因について聞いたところ、「空間的な余裕があり、リラックスできる」という回答が 76.1%だった。

 さらに在宅ワークの実態を把握するため、単身者を対象とした FGI(フォーカスグループインタビュー)を行った。

在宅ワークの現状「とりあえずの対応」

 在宅ワークをしている場所について具体的に聞いたところ、現状は、ダイニングテーブルやローテーブルなど、もともと部屋にあるもので代用している人が目立った。突然の在宅ワークに対する一時的な対応がそのまま続いている、または我慢している声が上がっていた。

在宅ワークで気付いた「オフィス家具・空間の優秀さ」「気分転換は大事」

 在宅ワークを続けているなかで、気付いた点として挙がったのは、次の2点。

  • オフィス家具・空間は機能性が高いこと
  • 気分転換が大切なこと

 在宅ワーク開始後に腰痛や肩凝り、目の疲れなどを感じていたという声が聞かれた。また、開放的で採光も優れていたオフィス空間が仕事に適した環境であることも改めて実感する声が上がった。家具だけではなく環境も含めた空間としての機能性が大事であることがわかった。

 また、以前は、職場と自宅が切り分けられていたものが1箇所となり、単身での生活だと、仕事もプライベートもひとりでの作業が多いため「気分転換」の大切さも改めて気付いたという意見が聞かれた。インタビューではおうち時間の増加により、自分好みの空間でよりストレスフリーな生活をおくりたい、という自宅内における関心が高まっていると考えられる。

在宅ワークの対応品購入について

 在宅ワーク用に購入した商品を聞いたところ、イス(ローテーブル派は座椅子)が多い結果に。ただし、購入後の感想を聞いてみると「思ったほど効果がない」「見た目は良くても長時間はつらい」「価格を優先すると機能性がない」などの意見が聞かれ、課題解決に向けて行動したものの、満足度は高くないことがわかった。

在宅ワークに対して求めること

 在宅ワークをする場所は1箇所か複数箇所か聞いたところ、1 箇所にまとめたい人と部屋内でも気分や目的別で使い分けたい人が半分ずつ、空間に関しては個室とオープンな空間を求める人が半分ずつ、という結果となった。

調査概要

コロナ禍におけるライフスタイル・価値観の変化に関する調査
  • 調査主体:日鉄興和不動産
  • 調査方法:インターネットリサーチ調査
  • 対象者:単身(未婚・離婚・死別含む)で20 代~60 代の埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県に住むマンション購入を検討している人 883名
  • 調査時期:2020年9月30日
在宅ワーカー実態把握調査
  • 調査主体:オカムラ
  • 調査方法:インターネットリサーチ調査
  • 対象者:20代~50代
  • 全国各地に住む週1日以上自宅で仕事をする人 385名
  • 調査時期:2019年12月23日~12月25日
在宅ワークに関するFGI調査
  • 調査主体:日鉄興和不動産
  • 調査方法:FGI調査
  • 対象者:単身(未婚・離婚・死別含む)の30代~40代の男女で、住まいの面積が50平方メートル未満の間取りが1DK/1LDKの人
  • 調査時期:2020年12月19日
ニューノーマルの働き方、働く場アンケート ワーカー編
  • 調査主体:オカムラ
  • 調査方法:インターネットによるアンケート調査
  • 対象者:上場企業の正社員 14社 282名
  • 調査時期:2020年7月20日~8月4日