DNP、本を通じた新しい体験を提供する「バーチャル書店」開発開始 池袋ミラーワールドに参画

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2021/03/30 05:00

 大日本印刷(以下、DNP)は、2021年3月27日にオープンしたテレビ東京運営のバーチャル空間「池袋ミラーワールド」に参画した。

 DNPグループのジュンク堂書店池袋本店を「バーチャルジュンク堂書店池袋本店」として同バーチャル空間に構築し、本というコンテンツと書店というメディアの新たな価値を提供する「バーチャル書店」の事業化に取り組む。

 本を基軸としたイベントやサロンなどの新しいコミュニティモデルの開発、リアルとバーチャルを連動させた広告・プロモーション事業の開発、ハイブリット型総合書店「honto」やジュンク堂書店池袋本店との連動による書籍拡販モデルの開発などを行う。

「バーチャル書店」の特徴

 同社は書店を、生活者が本をきっかけに「知」や「人」と出会えるコミュニケーションメディアと捉え、より自由度の高いバーチャル空間においても、コンテンツとメディアの新たな体験価値を提供。生活者は「バーチャル書店」に自宅などからウェブブラウザでアクセスし、アバターを通してバーチャル空間に作られたフロアやイベントコーナーなどを回ることで、多様な体験に出会うことができる。

“読む”だけでない、「本」を軸とした新しい体験価値とコミュニティの提供

 本の魅力は、ストーリーや読み物としての面白さだけでなく、作者・ファン・登場人物・物語の世界観・関連する事象や場所・創作過程などの多様な要素で構成されている。バーチャル書店では、それらの魅力を「読書」以外のかたちでも体験できるコンテンツとして提供する。

 たとえば、キュレーターによる本の魅力の解説、動画や音声の活用、オンラインサロンの開催といった多様な手法で本の新しい楽しみ方を提供していくことを目指す。また、書店員や著名人などが独自のテーマでおすすめの書籍を紹介する「ブックツリー」や「AI書店員」など、ビジュアル化された検索機能やレコメンド機能を通じて偶発的なコンテンツとの出会いが楽しめる機能を開発する予定だという。同じコンテンツに興味関心を持つ人同士がつながる場を提供し、共感度の高いコミュニティ形成にもつなげていく考え。

バーチャルとリアルを組み合わせた企業・地域とのコラボレーション

 同社は、バーチャル書店をバーチャルな都市空間における開かれたメディアとし、地域の魅力を発信する拠点とする。自治体をはじめ、多様な業界の企業や団体などとコラボレーションして、リアルな空間と連動したエンターテイメント性の高いイベントなどを行うことで、生活者と企業、地域をつなぎ、地域の経済活動を支援する。

DNPグループのオンライン書店やリアル店舗との連携による書店での販売を促進

 バーチャル空間に陳列する書籍などから、紙とデジタルの両方に対応するハイブリット型総合書店「honto」や、丸善ジュンク堂書店のリアル店舗への誘導を図り、各書店の販促につなげる。