YouTubeで著作権侵害とは? 防止策や警告の対処方法を解説

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2022/09/24 00:00

 YouTubeで音楽を使用する際には、著作権侵害に気をつける必要があります。著作権でよくある誤解や警告への対処方法、著作権侵害を防ぐためのポイントを解説します。

YouTubeで著作権侵害とは? 防止策や警告への対処方法を解説

 YouTubeでは、誰でも気軽に動画を視聴したり、投稿したりできます。しかし、投稿した動画の内容によっては、著作権を侵害してしまう可能性があります。YouTubeで音楽を使う際、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか。

 この記事では、YouTubeに投稿する動画に音楽を使う際の、著作権におけるよくある誤解や違反警告を受けた場合の制限および対処方法のほか、著作権侵害を防ぐためのポイントを解説します。気づかないうちに著作権を侵害していたということがないよう、事前に確認しておきましょう。

そもそも音楽における著作権とは?

 著作権とは、一言でいうと「著作物を保護するための権利」です。著作権関連でよく使われる用語とその意味は、下記のとおりです。

著作権関連でよく使われる用語とその意味

  • 著作権:創作的な表現物に対する独占権のこと。著作権は、表現物の財産的な利益を保護する「著作財産権」と、著作者の人格的な利益を保護する「著作者人格権」の2つに分類される。
  • 著作物:思想または感情を創作的に表現したもの。音楽や美術、映画、写真などが対象となる。
  • 著作者:著作物を創作する人のこと。共同著作物については、共同で創作に寄与した人全員が1つの著作物の著作者となる。
  • 著作権者:著作権を持っている人のこと。

 例えば、YouTubeにアーティストの創作した音楽を無許可で使用した動画を投稿した場合、その動画によって収益を得ると、著作権違反に該当します。また、YouTubeは、著作権違反に該当したアカウントに対する罰則を定めています。

YouTubeではここに注意しよう! 著作権侵害でよくある誤解

 著作権に対する正確な知識がないと、気がつかないうちに著作権侵害をしてしまうといったトラブルが発生する可能性があります。「故意ではないから」「よく知らなかったから」という理由で済む問題ではないのです。YouTubeでよくある著作権侵害の誤解を、3つご紹介しましょう。

よくある誤解1:クレジットを表記さえすれば問題ない

 YouTubeには、著作権者の情報、いわゆるクレジットを表記すれば著作権侵害にはならないと考えている人がいます。しかし、クレジットを表記しても、使用する権利が自動的に付与されるわけではありません。YouTubeにアップする前に、音楽を含めすべての要素に対して必要な権利を確保しておく必要があります。

よくある誤解2:数秒間の音楽使用ならOK

 「YouTubeに投稿する動画に音楽を使用する際、音楽の尺が数秒程度なら著作権侵害にはならない」というのも、よくある誤解です。YouTubeのヘルプページでも、「著作権で保護されたコンテンツが著作権者の許可なく使用された場合、使用されている長さ、頻度、サイズ、割合に関わらず(たとえ数秒であっても)動画に対して著作権の申し立てを受ける可能性があります」と記載しています。

よくある誤解3:ほかの投稿者も使用しているから大丈夫

 ほかの投稿者が音楽を使用していたからといって、同じ権限が自分にもあるとは限りません。なぜなら、その投稿者が著作権者から使用許可を得ている可能性があるからです。「ほかの人もこの音楽を使用しているから、自分も使ってOKだろう」と思っていると、後々トラブルへとつながってしまうかもしれないので注意しましょう。

YouTubeで著作権侵害の警告を受けた場合、動画はすぐ削除される?

 著作権者は、あなたが無断で音楽を使用してYouTubeに投稿していることを発見するかもしれません。その場合、著作権者が削除依頼をすると、動画はすぐに削除されます。

 また、まれなケースではありますが、著作権者が執行猶予期間付きで動画の削除を依頼することもあります。この場合は、投稿者から著作権者に連絡をとることも不可能ではありません。ただし、実際には猶予期間なしに、「動画を削除しました」というメールが突然届くケースが多いです。

 初めて著作権違反の警告メールを受け取った人は、コピーライトスクールを受講しなければなりません。コピーライトスクールとは、「著作権とは何か」「YouTube ではどのように著作権が保護されているか」について学ぶためのオンライン講座です。再び著作権違反の警告を受けないよう、コピーライトスクールで著作権についてきちんと学びましょう。

 著作権侵害では、意図的ではなく誤って違反してしまう可能性もあります。そのため、初めての違反では、事前警告のみ発行されます。しかし、事前警告を受けた後に再度違反すると1回目の違反警告が発行され、一定の制限が課されるのです。その後、適切な対処をしないと、警告が3回目まで続きます。また、警告による制限の内容は下記のとおりそれぞれ異なりますので、注意してください。

1回目の違反警告

 1回目の違反警告を受けると、動画やライブ配信、ストーリーのアップロードが1週間できなくなります。この機能制限は、1週間後にすべて自動的に解除されます。

2回目の違反警告

 1回目の違反警告から90日以内に2回目の違反警告を受けると、2週間コンテンツを投稿できなくなります。その後、問題がなければ2週間後にすべての機能が自動的に回復します。なお、1回目の違反警告から90日を過ぎた後に再度警告を受けた場合は、1回目の違反警告とみなされます。

3回目の違反警告

 2回目の違反警告から90日以内に3回目の違反警告を受けると、そのチャンネルはYouTubeから永久に削除されます。なお、2回目の違反警告から90日を過ぎた後に再度警告を受けた場合は、1回目の違反警告とみなされます。

 このように、警告違反の回数が増えるほど制限が重くなっていくのです。警告を3回受けた場合、アカウントと関連付けられているチャンネルがすべて停止されます。また、アップロードされたすべての動画が削除され、新しいチャンネルを作成することもできなくなります。

 警告を受けた場合は、警告の期限が切れるまで待つか、違反警告の内容に何か異議がある場合には、著作権侵害を申し立てた人に申し立てを撤回してもらったり、異議申し立て通知をYouTubeの運営事務局に提出したりするなどの対策をとりましょう。

著作権侵害を防ぐための3つのポイント

 著作権侵害を防ぎつつ音楽を使用したい場合、どういった方法があるのでしょうか。著作権侵害を防ぐためのポイントを3つご紹介します。

1.YouTubeのオーディオライブラリの音楽や効果音を使用する

 YouTube内で使える機能のひとつに「オーディオライブラリ」があります。オーディオライブラリとは、著作権使用料無料の音楽や効果音が用意されているシステムのことです。著作権上も安全に使用できますので、有効活用しましょう。

2.著作権フリーの音楽サイトを利用する場合は規約を細かく確認する

 オーディオライブラリ内を探しても、求めている音楽がないというケースもあるでしょう。その場合、著作権フリーの音楽提供サイトを利用しようと考える人が少なくありません。ただし、著作権フリーといっても、利用規約を確認せずに音楽を使用するのは危険です。なぜなら、音楽の利用条件や制限が、サイト・楽曲ごとに異なる可能性があるからです。

 著作権フリーと聞くと、どんな使い方をしてもいいと思いがちですが、利用方法によっては著作権侵害に該当するかもしれません。音楽提供サイトには「ここまではOK」「こういう使い方はNG」といった規約が明記されているので、必ず確認しておきましょう。

3.最終的な判断は弁護士や専門家に任せる

 どの音楽をどこまでの範囲で使用してもいいのか、判断に困ることもあるでしょう。まずは著作権の基礎的な内容について、自分で調べたり勉強したりする必要があります。それでもわからないときや疑問点が出てきた場合は、弁護士や専門家に相談するのがおすすめです。素人判断で音楽を使用すると、後々トラブルになりかねません。

著作権侵害に注意し、警告にはすみやかに対処を

 YouTubeを見ると、著作権を侵害しているコンテンツが少なくありません。しかし、「ほかの人もやっているから、いいだろう」と考えて音楽を使用すると、アカウントが削除されたり損害賠償を請求されたりする可能性があります。

 YouTubeで音楽を使用する際は、著作権を侵害しないよう十分注意し、もし警告を受けたらすみやかに対処しましょう。