文系学科在籍中に興味をもった「プログラミング」と「ブロックチェーン」
諸石(ヒューリズム) まずは自己紹介からお願いします。
寅次郎(Gaudiy) Gaudiyは、「ファン国家の創造」というビジョンと、「ファンと共に、時代を進める。」といったミッションのもと、2018年5月の創業当初からコミュニティサービスを中心に事業を展開しています。
「ファン国家」とは、共通の“好き”や価値観を持つ人々が集まり、共創や貢献によって新たな価値を生み、その貢献に応じてなめらかに還元が行われる経済圏のこと。Gaudiyは、そんな好きや共感をベースにしたコミュニティをテクノロジーの力で育て、広げていくことを目指しています。スタートアップもその一例ですが、最初はひとりから始まった志や熱意に人が集まり、だんだんと火種を広げ、やがて社会を動かしていく。その過程を後押しする仕組みやサービスを、日本の強みである「エンタメ」というドメインで、コミュニティ×テクノロジーを軸に開発しています。
僕は大学生のころにインターンとして加わって以来、約7年在籍しています。デザイナーが不在だったときから100人を超える組織規模になるまでを経験してきましたが、現在はデザイン職能代表として「プロダクトのUIUXデザインリード」と「デザイン組織全体のピープルマネジメント」の責任者をつとめています。
とはいえ、学生のころからデザイナーとして活動するイメージを持っていたわけではありません。小学校低学年のときに図鑑をみながらポケモンの絵を描いたりしていましたが、高校生のころまではサッカーに明け暮れていたため、デザインを仕事にすることは考えていませんでした。ただ、大学生のころにCanvaを使って発表資料を作成したりスライドを動かしたりすることにハマり、バイト先のパンフレットを作ったこともあったので、それがデザインとの最初の接点だったかもしれません。
諸石 大学も文系の学科に通っていたとのことですが、どのような経緯でGaudiyのインターンに参加したんですか?
寅次郎 最初は、高校の友人が大学入学後すぐにインターンを始めたことでインターンやベンチャー自体に興味を持ちました。ちょうどその当時、プログラミング学習サービス「Progate」が流行したことで、プログラミングがウェブサイトなどを制作できる技術だと知り、少しコードの勉強を始めていたんです。また当時エストニアがブロックチェーンのテクノロジーを活用してペーパーレス国家を目指しているといったニュースを目にしたことで、ブロックチェーンにも興味を持ちました。2018年ごろだったと思います。

諸石 Web3といった言葉も登場し、ブロックチェーンが沸々と盛り上がっていたときですね。
寅次郎 そういった流れを受け、東大や東工大、早慶といった各校に「ブロックチェーンサークル」なるものが生まれており、ホワイトペーパーを読む会に参加したり、コードを実際に書いてみたりしていました。そうやってコードを書くことを仕事にできる会社があればと考え始めていたころ、Twitter上で同じラジオを聴いていたことがきっかけで、代表の石川に食事に誘ってもらったことがGaudiyとの出会いです。後日、僕が当時勉強していなかったReactの書籍をいくつか渡され、「1ヵ月でこれを全部やったら来ていいよ」と言われました(笑)。休学中だったこともあり1ヵ月こもって勉強をした結果、見習いの見習いといったレベル感ながら5人目のメンバーとして加わりました。