アドビ、生成AIと連携可能な「Content Hub」を提供開始 企業保有のクリエイティブアセットの管理方法を刷新

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2024/08/13 07:00

 アドビは、Adobe Experience Manager(AEM)の新機能「Content Hub」の提供開始を発表する。Adobe Experience Manager(AEM)Assetsは、マーケティングキャンペーンやデジタル体験の制作に欠かせない画像、動画、そのほかのコンテンツライブラリを全体にわたって管理する、業界をリードする企業向けデジタルアセット管理システム(DAM)。AEM Assetsは、フォーチュン50企業の多くで使用されている。ASICS、Cisco、The Coca-Cola Company、Henkel、Prudential Financial、T-Mobile、Volkswagenなどの企業が利用している。

 Content Hubは、企業が保有するクリエイティブアセットの、組織横断的な、あるいは外部パートナーが関与する際の活用において大幅な効率向上を実現する。新しく使いやすいUIが提供されるため、チームはブランド承認済みのあらゆるアセットに簡単にアクセスでき、Adobe ExpressとAdobe Fireflyの生成AI技術を通じ、オールインワンのデザインツールを既存のワークフロー内から直接利用できるようになる。

 Content Hubは、適切なアセットの再利用の促進と非一貫性の解消によって無駄な作業を省き、使用状況の分析機能や、機密保持を要するコンテンツ配信におけるガバナンス制御も提供する。この製品により、マーケティングキャンペーンの実施やパーソナライズされた顧客体験の提供において、すべての企業にとって不可欠なエンドツーエンドのビジネスプロセス、すなわちコンテンツサプライチェーンの中核部分を最適化することができる。

AEM Assets のContent Hubの特徴

使用可能な関連アセットの検索

Content Hubを使えば、ブランド承認済みのアセットを見つけるのはブラウザ検索と同じくらい素早く簡単なものになり、ユーザーは既存アセットの効率的な再利用と創造的なアイデア創出の両方を実現できる。「ロゴ」、「アウトドア」、「ピンク」などの単語や、「ホリデーシーズンのプロモーション」、「冬のハイキング用品」などのフレーズなど、さまざまな検索パラメータを使ってアセットを検索できる。また、スマートタグ機能を使ってアセットに重要なキーワードを自動タグ付けして検索性を向上させることもできる。

ブランド承認済みアセットを活用した顧客体験の作成

Content Hubの操作環境から直接、生成AIのAdobe Fireflyを搭載したAdobe Expressにアクセスできるため、ユーザーは既存のワークフローを離れずにアセットをリミックスして新しいデジタル体験を作成できる。ワンクリックでAdobe Expressのエディターを起動し、コピー文の追加からサイズ変更まで、迅速な調整が可能。さらに、Adobe Expressに搭載されたAdobe Fireflyによって背景の差し替え、オブジェクトの追加、異なるビジュアルスタイルの制作など、新しいバリエーションが作成できる。このようにコンテンツバリエーションの制作が容易になり、大規模なパーソナライゼーションが可能になる。 

アセット管理コントロールの一元化

Content Hubは、管理者が新製品のローンチなど機密性の高いアセットへの関係者のアクセス管理や、AI生成コンテンツがブランド基準に沿うようにガバナンスコントロールを行うことができる。また、アドビのアプリケーションにおけるAIの使用状況を透明化するために、Adobe Fireflyが搭載された機能では、出力されたコンテンツにコンテンツ認証情報が自動的に付与される。これはデジタルコンテンツの成分表示ラベルの役割を果たす、改ざん検知可能なメタデータで、コンテンツの作成や編集プロセスにAIが使用されたかどうかなど、コンテンツに関する詳細な情報を提供する。 

継続的な改善に役立つインサイトの獲得

アセットの使用状況に関する詳細な分析(ファイルタイプ、画像の特徴など)は、組織全体でアセットがどのように使用されているかをより深く理解するのに役立つ。制作チームは これらのインサイトをもとに使用頻度の高い特定のファイルタイプやビジュアルスタイルにリソースを集中させるなどして、アセットの作成アプローチを改善することが可能になる。 

 ブランドに沿ったパフォーマンスの高いコンテンツをマーケティング部門が迅速に計画、作成、管理、公開、測定できるようにする、Content Hubのこれらの機能は、次世代の生成AIファーストアプリケーション「Adobe GenStudio」にも搭載される予定。