電通ら「2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」発表 インターネット広告費は過去最高

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2025/03/13 06:30

 国内電通グループのデジタル領域をけん引する4社(CCI/電通/電通デジタル/セプテーニ)は、電通が2025年2月27日に発表した「2024年 日本の広告費」の調査結果のうち、インターネット広告媒体費の内訳を、広告種別、取引手法別などの切り口で分析し、さらに2025年の予測を加えた「2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表した。

 2024年の日本の総広告費は、通年で前年比104.9%の7兆6,730億円となり、2021年から4年連続で成長し、3年連続で過去最高を更新した。その中でインターネット広告費(1996年に推定開始)は、社会のデジタル化を背景に堅調に伸長し、前年より3,187億円増加して3兆6,517億円(前年比109.6%)と過去最高を更新し、その構成比は日本の総広告費全体の47.6%を占めた。また、インターネット広告費からインターネット広告制作費および物販系ECプラットフォーム広告費を除いたインターネット広告媒体費は、ビデオ(動画)広告、なかでもSNS上の縦型動画広告などの伸長により、前年比110.2%の2兆9,611億円となった。

「2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」のポイント

1.ビデオ(動画)広告は 前年比123.0%の8,439億円と、もっとも高い成長率

ビデオ(動画)広告は前年比123.0%の 8,439億円と、広告種別の中でもっとも高い成長率となった。内訳は、インストリーム広告が 4,260億円(構成比50.5%)、アウトストリーム広告が 4,178億円(同49.5%)と、ほぼ同水準となった。

2.ソーシャル広告は1兆1,008億円と、推定開始以降初めて1兆円を突破

ソーシャルメディアのサービス上で展開されるソーシャル広告は、前年比113.1%の1兆1,008億円となり、1996年の推定開始以降はじめて1兆円を超えた。インターネット広告媒体費に占める構成比は37.2%となった。

3.広告種別では検索連動型広告が約4割と、もっとも高い構成比

インターネット広告媒体費を広告種別構成比で見ると、検索連動型広告が40.3%ともっとも高く、次いでビデオ(動画)広告が28.5%、ディスプレイ広告が25.8%となった。ビデオ(動画)広告がディスプレイ広告を推定開始以降初めて上回った。

4.2025年のインターネット広告媒体費は3兆2,472億円へ増加すると予測

2025年のインターネット広告媒体費は、ビデオ(動画)広告およびソーシャル広告、検索連動型広告の継続的な成長を背景に、前年比109.7%の3兆2,472億円になると予測する。ビデオ(動画)広告は二桁成長を維持し、前年比114.7%の9,677億円と予測する。

インターネット広告媒体費の広告種別構成比

ビデオ(動画)広告は前年比123.0%の8,439億円と、もっとも高い成長率

 2024年のインターネット広告媒体費は、前年比110.2%の2兆9,611億円(電通「2024年 日本の広告費」より)であった。インターネット広告媒体費を広告種別で見ると、ビデオ(動画)広告は前年比123.0%の8,439億円ともっとも高い成長率となり、構成比でもディスプレイ広告を上回る28.5%となった。検索連動型広告は推定開始以降はじめて1兆円を突破した2023年から更に増加し、2024年は前年比111.2%の1兆1,931億円となった。

インターネット広告媒体費の広告種別構成比

インターネット広告媒体費の取引手法別構成比

運用型広告は2兆6,095億円で、インターネット広告媒体費に占める構成比は9割に迫る

 インターネット広告媒体費を取引手法別で見ると、運用型広告は前年比111.1%の2兆6,095億円で、インターネット広告媒体費に占める構成比は88.1%となった。予約型広告は前年比105.4%の伸長で2,789億円となり、成果報酬型広告は前年比99.3%とわずかに減少し727億円となった。

インターネット広告媒体費の取引手法別構成比

インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比

ビデオ(動画)広告は運用型が前年比123.0%、予約型も前年比123.2%といずれも大きく伸長

 広告種別×取引手法別では、運用型の検索連動型広告がインターネット広告媒体費全体に占める構成比がもっとも高い40.3%。次いで運用型のビデオ(動画)広告が運用型のディスプレイ広告を推定開始以降はじめて上回り、24.0%となった。

インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比

ビデオ(動画)広告市場

インストリーム広告とアウトストリーム広告の構成比はほぼ同水準

 ビデオ(動画)広告は、前年比123.0%の8,439億円と、広告種別でもっとも高い成長率となった。その内訳は、動画コンテンツの間に挿入されるインストリーム広告が4,260億円(構成比50.5%)、ウェブサイト上の広告枠や記事のコンテンツ面などで表示されるアウトストリーム広告が4,178億円(構成比49.5%) となり、ほぼ同水準であった。また、取引手法別では運用型広告が84.4%を占めた。

ビデオ(動画)広告の広告種類別・取引手法別構成比

ソーシャル広告市場

ソーシャル広告は前年比113.1%の1兆1,008億円

 ソーシャルメディアのサービス上で展開されるソーシャル広告は、前年比113.1%の1兆1,008億円となり、2019年の推定開始以降はじめて1兆円を超えた。インターネット広告媒体費に占める構成比は37.2%となった。

 ソーシャル広告を種類別に「SNS系」、「動画共有系」、「その他」に分類すると、SNS系が4,550億円(構成比41.3%)、動画共有系が4,054億円(構成比36.8%)、その他が2,404億円(構成比21.8%)となり、 動画共有系の割合が前年から増加した。

ソーシャル広告の構成比推移・広告種類別構成比

インターネット広告媒体費総額の推移と予測

2025年のインターネット広告媒体費は、前年比109.7%の3兆2,472億円へ

 2025年も堅調に拡大し、前年比109.7%の3兆2,472億円になると予測する。

インターネット広告媒体費総額の推移(予測)

ビデオ(動画)広告市場の推移と予測

2025年のビデオ(動画)広告は、前年比114.7%の9,677億円へ

 2025年も二桁成長を維持し、前年比114.7%の9,677億円になると予測する。アウトストリーム広告とインストリーム広告はほぼ同等の成長を見込む。

調査概要

調査主体

株式会社CARTA COMMUNICATIONS(CCI)/株式会社電通/株式会社電通デジタル/株式会社セプテーニ

調査時期

2024年12月~2025年2月

調査方法

以下の調査にもとづき、推定作業を実施。

  1. インターネット広告媒体社などを対象としたアンケート調査(Web調査)「2024年(令和6年) 日本の広告費 インターネット広告媒体売上についてのお伺い」 として実施
  2. 同、追加ヒアリング調査
  3. 各種データ収集・分析

なお、本資料内グラフにおける数値は、表示単位未満を四捨五入して表示しているため、計算値が一致しない場合がある。