Appleは、「探す」アプリケーションの最新版を公開した。同アプリの最新版では、Appleの探索ネットワークが備えるプライバシーが保護された安全な探索機能を、同社以外の他社製品からも利用できるようになった。
同社は新たに用意した探索ネットワーク対応アクセサリプログラムを通じて、探索ネットワークを同社以外の周辺機器メーカーにも開放し、同探索サービスに対応する製品の開発を促すことで、ユーザーが同アプリを使って、生活に欠かせないアイテムの場所を特定・追跡可能にすることを目的としている。探索ネットワーク対応アクセサリとして同アプリから見つけることができる新製品は、次週にも、Belkin、Chipolo、VanMoof 各社より発売される。
「探す」ネットワーク対応アクセサリプログラム(The Find My Network Accessory Program )は、Made for iPhone(MFi)プログラムの一環として、自社の既存もしくは新製品を同社の探索ネットワーク対応にすることを検討しているアクセサリおよび周辺機器メーカーに向けて用意された。他社製品には、同社のユーザーが探索ネットワークに期待するプライバシー保護の基準に完全に合致することが求められ、認証された製品は同アプリに新設された項目タブ(アイテム)に追加されるとともに、当該製品が同社の探索ネットワークおよび同アプリと互換性があることをユーザーに明示するために“Works with Apple Find My”バッジが付与される。
また、同社は、チップセットメーカーに向けて今春後半にリリースを予定しているドラフト仕様についても発表。デバイスメーカーはこの仕様に基づくことにより、U1チップを搭載するAppleデバイスに組み込まれた超広帯域無線(UWB)テクノロジーを利用できるようになり、近距離通信において、方向を意識したより正確な体験が可能になる。
VanMoof社の最新の電動自転車S3およびX3、Belkin社のSOUNDFORM Freedom True Wireless Earbuds、Chipolo社のONE Spotアイテムファインダーは、同社の「探す」ネットワークに対応した他社製アクセサリとして登場。これらの製品では、ユーザーはそれぞれの置き場所、たとえば自転車を停めた場所、イヤフォンを置き忘れたジム内の場所、バックパックの置き場所などを特定できる。同社の「探す」ネットワークに対応した周辺機器やアクセサリは、そのほかのデバイスメーカーからも続々登場する予定となっている。
同社が持つ世界規模の広大な探索ネットワークを、専用アプリひとつでiPhone、iPad、iPod touch、Macの内蔵アプリケーションとして用意されている「探す」では、ユーザーのプライバシーを守りながら、Appleデバイスの置き場所を特定したり、友人や家族の現在位置を確認したりできる。Appleデバイスを万一紛失してしまった場合には同アプリを開いて、現在位置を地図上で特定したり、デバイス上でサウンドを再生して場所を明らかにしたり、デバイスを紛失モードに切り換えて直ちにロックをかけたり、デバイスの画面に連絡先の電話番号とともにメッセージを表示したりといった対策を取ることが可能。もし、デバイスが悪用される恐れがある場合は、デバイス上のデータを遠隔操作により一括消去することもできる。
同社の「探す」ネットワークの探索機能は、紛失したデバイスがインターネットに接続できない、または、されていないような場合にも発揮される。「探す」ネットワークはAppleデバイスが一丸となって自律的に形成するネットワークで、Bluetoothワイヤレステクノロジーを使って、近隣にある紛失したデバイスやアイテムを検出して、そのおおよその位置をデバイスやアイテムの持ち主に報告する仕組みになっている。
なお、デバイスの発見に至る全プロセスはエンドツーエンドで暗号化・匿名化されるので、所有者以外は誰その位置や情報を見ることはできない仕様とのこと。