NECは、新たなバレーボールの観戦価値の創出を目指す日本バレーボールリーグ機構(以下、Vリーグ機構)と協同し、2021年3月27日、28日に大田区総合体育館で開催されたVリーグ女子の試合で、新たなスポーツ観戦スタイルの実現に向けた「競技情報のAR表示」の実証実験を行った。
同実証は、Vリーグ機構がウェブ上で試合中に更新するスタッツ情報をモバイルネットワーク(LTE)で現地サーバに送信し、ARで表示するコンテンツを生成、会場の観客が掛けるスマートグラスに表示するもの。これにより、観客は会場ならではの迫力や臨場感を味わいながら、得点や選手情報などさまざまな情報をリアルタイムに把握することができる。加えて、セット間には得点ランキングやアタック決定率など選手の個人記録に係る情報を得ることが可能なため、プレー以外の時間も試合を楽しむことができる。
同実証は、3月27日の久光スプリングス対NECレッドロケッツ、3月28日の久光スプリングス対JTマーヴェラス、およびNECレッドロケッツ対埼玉上尾メディックスの3試合で実施し、延べ30人が体験。実施後の体験者へのアンケート調査では、AR表示の体験について「非常に良い」または「良い」と回答した人の合計は97%となり、多くの体験者から高い評価を得た。また、今回表示した内容に加え、「得点を決めた選手の情報」や「選手やベンチのリアルタイム映像」も表示してほしいなどの要望も寄せられており、今後はこうしたニーズに基づき、より付加価値の高い観戦体験の提供を目指す。
NECは今後、同実証で利用したLTEに加えて、低遅延、高速・大容量、多数同時接続という特長を持つ5Gの活用を進めることで、スポーツやコンサートなどの各種イベントにおいて、AR映像やCGなどのコンテンツを活用したさまざまな演出や情報発信に取り組んでいく。