凸版印刷、マイナンバーカードをスマホにかざすだけで本人確認を可能にする「本人確認アプリ」を開発

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2021/04/23 06:00

 凸版印刷はスマートフォンとマイナンバーカードだけで容易かつ正確でスピーディな非対面での本人確認を可能にする「本人確認アプリ」を開発。2021年5月1日より提供を開始する。

 同アプリは地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が提供する公的個人認証システムと連携し、マイナンバーカードを使って本人確認を実行するもの。具体的には、銀行口座やクレジットカードの申し込みをはじめとする金融機関取引や古物商い、シェアリングビジネスなど、非対面での各種サービス利用時に必要となる本人確認を行う場面で使用できる。

 サービス利用者はスマートフォンに搭載されているNFCを活用し、マイナンバーカードをかざすことで、同社のJPKIプラットフォーム(総務大臣認定事業者として提供する、マイナンバーカードを活用した公的個人認証が可能なプラットフォーム)と連携し、容易かつスピーディに本人確認を行うことが可能。また、サービス事業者は本人確認書類の確認作業を削減でき、業務負荷の大幅な軽減を目指せる。

 従来、行政手続きや銀行口座・証券口座の開設、クレジットカード発行の際に本人確認を行うには、本人確認書類を伴う対面での手続きが必要だった。また、近年普及し始めている非対面での本人確認(eKYC)では自身の顔写真(セルフィー画像)と本人確認書類画像の送付が必要となっており、生活者にとっては煩雑な手続き、サービス事業者にとっては事務部門による照合・点検作業が負担となっている。

 また、新型コロナウイルス感染拡大により、さまざまな業界で非対面手続きのニーズが高まっている一方で、不正利用やなりすましによる問題が顕在化し始めており、行政や金融機関と同等レベルの本人確認が求められている。

 同社は2017年3月より、認証業務に関するプラットフォーム事業者として総務大臣の認定を受けており、公的個人認証を活用した住宅ローンの電子契約手続きサービスを提供きた。そのなかで、昨今のマイナンバーカード発行件数の増加や新型コロナウイルスによるニューノーマルな暮らしのあり方を鑑み、本人確認に特化したマイクロサービスの提供を開始する。これにより、スマートフォンとマイナンバーカードだけで容易かつ確実な非対面での本人確認を行うことが可能となり、業界を問わず正確な本人確認を実施するサービスを提供することができるようになるという。

 「本人確認アプリ」の特徴は、次のとおり。

アプリだけでなく PC やスマートフォンのウェブブラウザからも利用が可能

 PC やスマートフォンのウェブブラウザからスムーズに同サービスを呼び出すことができるため、サービス事業者が保有する既存のウェブサービスやスマートフォンアプリに本人確認機能を追加することが可能。

アプリの UI デザインを柔軟にカスタマイズすることが可能

 同サービスを導入する企業のコーポレートカラーをUIデザインに反映するなどカスタマイズが可能。これにより導入企業が提供するアプリケーションデザインと親和性を持たせたUIデザインで同サービスを提供することが可能。

専用 SDKの提供により、事業者のアプリにアドオンで利用することが可能

 スマートフォン向けの SDK(iOS・Android 用)を用意しているため、サービス事業者がすでに用意しているアプリケーションに対して同サービスの機能を実装することができる。ユーザーはアプリの切り替えをすることなくサービス手続きを完了できるため、UXを損なうことなく公的個人認証による本人確認を実施することが可能。

各種利用用途に応じた機能の提供

 同アプリではマイナンバーカードに含まれる、利用者証明用電子証明書、署名用電子証明書を使った公的個人認証だけでなく、基本4情報(マイナンバーカードに含まれる、氏名・生年月日・性別・住所の4つの情報)と個人番号を取得することも可能。従って、従業員の個人番号収集や保険金請求時の個人番号の収集といった労務管理や税務処理などの用途でも同アプリを使用することができる。同社がサービス事業者の利用シーンに応じ、適切なサービスを提供する。

 同社は、同サービスの提供を金融取引や公共サービス、CtoCビジネスを展開するさまざまな業界に向けて拡販を進めていく。さらに、本人確認結果と個人IDを結びつけるプラットフォームサービスの提供を行うとのこと。