AI・IoT・ビッグデータプラットフォームを提供するオプティムは、LiDARセンサー付きのスマートフォンやタブレットで土構造物(土などを材料として構築した構造物)などの測量対象物をスキャンするだけで、高精度な3次元データが取得できるアプリケーション「OPTiM Land Scan」を、「OPTiM Geo Scan」として、正式に提供を開始した。
なお、同アプリケーション開発は、九州のゼネコンである松尾建設と建設業界の課題を解決する取り組みである「建設×IT戦略的包括提携」の一環として実施している。
同アプリケーションでは、スマートフォンまたはタブレットで土構造物等の測量対象をスキャンすることで、土木現場で求められる高精度な3次元データが生成可能。ドローンやレーザースキャナなどの利用が難しい小規模現場での利用を想定しており、従来の光波測量と比較すると、測量時間を最大60%削減。さらに費用面においても、既存の3D測量(ドローン、レーザースキャナなど)に比べ80%以上のコスト削減が実現できるという。
また、測量には専門知識は不要で、ひとりで手軽に測量を行うことが可能であるため、人手不足や技術者不足解消に役立つとのこと。加えて、測量により取得した3次元データはxyzRGB形式にて出力ができるため、利用している点群処理ソフトウェアやCADソフトを利用して、横断図の作成などが行える。
同アプリケーションの特徴は、次のとおり。
ひとりで手軽に測量が可能
従来の光波測量では、トータルステーション操作者とピンポールを持つ作業員ふたりで測量を実施することが一般的だが、同サービスでは、タブレット上のアプリで土構造物などの測量対象をスキャンするだけで測量が実施できるため、ひとりでの測量が行える。
測量業務の短縮が可能
測量対象物をスキャンするだけで3次元データの取得が可能となるため、測量時間の短縮や3次元データ化処理が不要となり、測量業務の短縮が可能に。また、GNSSデバイスを併用することで、3次元データに位置座標を付加できる。
誰でも高精度な測量が可能
土構造物などの測量対象物をスキャンするだけで、測量が可能なため、測量経験のない作業員でも高精度な測量が可能。また、技術習得にかかる時間の削減や、技術者不足に悩まされることがなくなる。
ICT土工の実現
3次元データの取得が可能となるため、ICT土工を前提とした施工計画の策定や、3次元設計図などの3次元データの生成、納品が可能となり、今まで実現できなかった中小規模の現場においてもICT土工を可能とする。
点群データの出力が可能
取得したデータを色付きの点群形式(xyzRGB)で出力可能。そのため、現場の状況をより的確に把握することができる。また、点群プレビュー機能を搭載し、データ取得後すぐに現場で点群データを確認することができる。
iPhone Proに対応
これまでのiPad Proに加えて、iPhone 12 Pro/Pro MAXに対応。さまざまなデバイスで同アプリを利用できる。