Sansanは、同社内にユーザー体験の調査に特化した社内組織「UXリサーチセンター」を発足させたことを発表した。
社会に革新をもたらし、市場を切り拓くサービスを提供するためには、ユーザーの潜在的・顕在的なニーズを捉えて、サービスを開発することが求められる。今回、ユーザーの行動とそこへいたる思考を正確に理解し、サービス開発につなげるためにUXリサーチセンターを発足。同部門は、プロダクト部門への提案を通して、Sansanの提供するサービスのUXの向上に貢献するという。
同社が提供するクラウド名刺管理サービス「Sansan」は、2007年の提供開始当初より、クラウド上で名刺を管理・共有するという、企業のDXに貢献してきた。名刺アプリ「Eight」や、昨年より提供を開始した、クラウド請求書受領サービス「Bill One」、企業向けセミナー管理システム「Sansan Seminar Manager」といった同社が提供するサービスも、新たに市場を作るサービスとして開発・提供を行ってきた。
新しく市場を作るサービスには、ユーザーの体験設計がより重要になる。これまで同社内では、各プロダクト事業部のなかで、ユーザーリサーチが行われ、新規サービスの開発や、既存サービスの改善活動を行ってきた。今回、提供サービスの拡充と、組織の拡大に合わせて全社横断の専門組織として、自社内にUXリサーチに特化したチーム「UXリサーチセンター」を新設し、ユーザーリサーチを強化する。
同センターは、既存サービスの改善、新規サービスの開発時に、UXリサーチを行い、ユーザーの動向を、プロダクト開発チームに提供。これにより、市場を開拓するサービス・プロダクト提供に貢献する。
UXリサーチセンターの取り組み
今回発足したUXリサーチセンターには、Sansan社員10名が所属。同センターの主たる業務は、Sansanおよびグループ参画企業のサービス開発における、UXリサーチとなる。プロダクト開発とは異なる独立した部門として、調査を継続的に実施し、UXの評価や改善点の提案を行う。同センター内には、リサーチャーとデータアナリストが在籍し、ユーザーの価値に向き合うための定量と定性を組み合わせた調査を行っているという。
たとえば、次のような「定性調査」と「定量調査」を実施している。
定性調査
デプスインタビュー、ユーザビリティーテストなど
定量調査
アクティビティの分析や、ファネル分析、効果の予測・検証など
同センターは、これらの調査を新規事業立ち上げ時や、新規サービスの開発時、また、既存サービスの改善に向けて行う。行われた調査はまとめられたのち、プロダクト開発チームへ提供。プロダクト開発チームはその調査結果をもとにして、開発の方針決めや改善計画の立案や実行がなされるとのこと。