アドビは、就職活動中または就職活動を終えたばかりの学生100名、および一般企業に入社して3年目までの若手社会人300名を対象に「就職活動・若手社会人に必要なクリエイティブスキル」に関する調査を実施した。
同調査は、若手社会人が実務でもとめられるデジタルリテラシーと創造性について実態把握を調査するもので、合わせて社会において“創造的問題解決能力”がどの程度重視されているかについても調査した。
今回の調査で明らかになった主な結果は次の通り。
学生や若手社会人の7割以上は、「創造性/クリエイティビティ」を重要視、かつキャリアの強みになると回答
今回の調査では、学生、若手社会人の71.3%が「社会で活躍するためには創造的/クリエイティブであることは重視される」と回答。また、75.8%が「クリエイティブスキルは就活や就職後のキャリアにおいて強みになると思う」と回答したことから、学生、若手社会人は「創造性/クリエイティビティ」が社会で重要なスキルのひとつであると思っていることがわかった。
就職活動に活かされる&今後重要度が上がるスキルTop 3、「課題発見能力」「課題方法の発想力/着想力」「情報分析力」
学生、若手社会人ともに「就職に活かされると思うスキル」および「今後重視度があがると思うスキル」として上位3つにあがったのは、「課題発見能力」、「課題解決方法の発想力/着想力」、「情報分析力」。さらに、学生、若手社会人ともTop3を支えるスキルである「デジタルリテラシー」「クリエイティビティ/創造性」「プレゼンテーションスキル」が、「今後重要度が上がると思う」と考えていることが判明した。
実務ではどの職種でも3割の人がクリエイティブツールスキルが必要と回答
社会で必要なデジタルリテラシーについて詳細を聞いたところ、「基本的なオフィスソフト(73.4%)」が1位に。しかし「イラスト制作や加工(31.7%)」や、「印刷物制作(30.3%)」、「アプリやウェブ制作(32.7%)」など、約3人にひとりが職種によらずクリエイティブツールのスキルが必要だと選択した。
さらに職種別に見ると、技術職では「イラスト制作や加工(48.1%)」や「アプリやウェブ制作(40.7%)」、営業や事務では「イラスト制作や加工(営業33.3%、事務32.3%)」、「印刷物(営業33.3%、事務29.0%)」、士業(税理士、弁護士など)では「印刷物(38.9%)」、「動画編集(33.3%)」、「アプリやウェブ制作(33.3%)」のニーズが現れ、デザインやクリエイティブ系以外の職種においても一定数のクリエイティブスキルのニーズが伺える結果となった。
さらに、このようなクリエイティブスキルが具体的にどのようなシーンで必要とされるか、必要になると思うか、という質問に対しては、「企画書や報告書をまとめるときに応用できると思う(学生)」や、「プレゼンテーションや報告会で発表する際の資料に必要(社会人3年目)」、という声があがり、さらに「最近は動画が流行り出しているため、動画編集に必要になると思う(社会人2年目)」など、実務現場でニーズの高まる動画編集スキルへの期待もうかがえた。
「学生時代がクリエイティブスキル身につけるチャンス」 授業や研究などで活用しながら身につけるのが望ましい
在学時代を振り返り、クリエイティブスキルはどこで習得できると良いか聞いたところ、「授業や研究などの学業での活用(62.1%)」を選択した人が圧倒的に多い結果に。また、どのような授業を学校が用意していたら習得しやすいかに対して「一般教養の授業(62.1%)」、「専門授業(48.5%)」がほかより差をつけて選ばれており、どのような環境で学びたいかに関しては「自身のパソコン(84.0%)」が最多となった。さらに、今回の調査に参加した学生、若手社会人の約8割が「学生時代はさまざまなスキルを身に着けるチャンスの時期」と考えており、社会で活躍する人材を育成するためには、大学をはじめとした教育機関でデジタルリテラシー教育やクリエイティブスキルを習得する機会を提供することが求められていると明らかとなった。
調査概要
- 調査方法:インターネット調査
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実施対象:400人
〇学生:就職活動中または就職活動終了直後の学生100人(美術・芸術系の専攻は除く)
〇社会人:入社3年目までの若手社会人300人
(※若手社会人とは、会社勤務/経営(業種無作為)、公務員・教職員・非営利団体職員、弁護士・税理士など・医薬関連、派遣/契約社員、自営業と回答した300名) - 調査期間:2021年6月4日(金)~6月6日(日)