サイバーエージェントのミライネージ、AIでクリエイティブを大量生成する「リテールフィード」提供開始

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2021/08/30 05:30

 サイバーエージェントのAI事業本部 DX本部は、店舗サイネージ配信プラットフォーム「ミライネージ」において、デジタルサイネージ向けにAIでクリエイティブの大量生成を行う「リテールフィード」機能の提供を開始する。

背景

 昨今、人々の購買行動はオンライン上の情報に大きく影響を受けており、小売店舗ではサイネージやアプリなどを活用した販促施策を行うなど、オンラインとオフラインを横断し「店舗のメディア化」を実現することが求められている。

 販売促進や商品認知を目的とした「店舗のメディア化」において効果を最大化するためには、これまでオンライン上で行われてきたメディア運営やインターネット広告運用と同様に、効果指標の設定および計測・データ分析・運用を行うことが重要。なかでも、サイネージに配信するクリエイティブは、大量のパターンを用意するとともに、検証結果をもとに素早い改善を行うことが必要とされている。

 しかし、旧来のデジタルサイネージの多くは、効果計測の正確性や、大量の静止画・動画の組み合わせを制作する工数や費用が課題となり、売場への立ち寄り率や広告配信対象の商品買上率に対する効果にもとづいたクリエイティブの運用が十分に行われていなかった。

 このような背景のもと「ミライネージ」では、これまで広告運用最適化機能の提供などを行っていたが、今回新たに「リテールフィード機能」を開発し、提供を開始した。

 「リテールフィード」は、動画や静止画といった広告素材および同社クリエイターが用意した広告効果が高いとされる組み合わせパターンを用いることで、サイネージに配信するクリエイティブをAIが大量に生成する機能。

 本機能を用いることで、これまでクリエイターが手作業で制作していた工程において、工数をかけることなく従来の約30倍のクリエイティブの制作を実現。これにより、大量のクリエイティブから「サイネージのサイズ」や「気象状況」など状況にマッチした最適なクリエイティブを選んで配信を行うことが可能となり、販促効果の向上が見込める。

 「リテールフィード機能」の活用により、クリエイティブ制作工数・費用の削減を実現するとともに、配信効果に応じたクリエイティブ運用の試行回数を増やすことで、デジタルサイネージによるいっそうの効果向上ならびに各店舗の売上増加へとつなげることが期待される。

今後の展望

 同社は今後も、小売業界におけるデジタル化を推進し、小売店舗における販促オペレーション業務の効率化や、「店舗のメディア化」による収益最大化および新しい顧客体験と実店舗の価値創造に貢献していく。