RADIUS5、漫画用の背景を生成するAI「Line Drawer」を大幅アップデート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2021/10/23 05:00

 ラディウス・ファイブ(RADIUS5)は、Deep Learningを用いて漫画用の美術背景を生成するサービス「Line Drawer(ライン ドロワー)」を大幅アップデートした。これまでは線画を6種類アウトプットしていましたが、線画4種類、影付きの線画2種類、カラー付きの線画2種類、スクリーントーンが貼られた線画1種類の合計9種類を一度に出力するアップデートを行った。

 同社は、クリエイティブなAIを提供するスタートアップ企業。これまで、ゲーム業界のためにキャラクターを生成するAI や、アニメ業界のために映像を4K化するAI、デザイナーのために1枚の写真から動画を生成するAIなど、さまざまなAIを開発してきた。

 Line Drawerは、漫画の背景や挿絵の制作に活用してもらうことを目的に2021年3月にリリースしたAI。背景や挿絵の制作は、注目度が低い割わりに時間のかかる作業となっている。同サービスでは、写真をアップロードするだけで線画を生成することができるので、背景制作の時間を大幅に短縮することが可能となる。

 今回のアップデートでは、線画のクオリティを改善したことのほか、影付きの線画やカラーをつけた線画、スクリーントーンを載せた線画など、アウトプットの種類を増やした。このアップデートによって、利用者の後工程の負担を減らすとともに、線画だけでは利用しにくかったデザインやウェブトゥーンでの利用など、新しい利用者層に訴求したい考え。

 同アップデートの内容は、次のとおり。

線画のクオリティをアップ

 これまでのユーザの利用傾向を踏まえて、プレーンな線画のクオリティ改善を実施。アウトプットは6種類から4種類に減ったが、より利用しやすい線画を出力できるようになった。

多様なアウトプットを一度に出力

 プレーンな線画4種類に加えて、影付きの線画2種類、カラーの線画2種類、スクリーントーンを載せた線画の9種類をアウトプットするように変更。これまで線画に影をつけたり、カラーをつけたり、スクリーントーンを載せる作業は後工程に存在していたが、いずれも手間のかかる作業となっていた。後工程にかかる負担も減らすことでデザイナーやウェブトゥーンの制作など、漫画家だけでなく広いユーザ層が活用しやすくなる。

 さらに、自分で加工したいという人の要望に応えるために、線画が載っていないモノクロ画像、カラー画像、スクリーントーン画像もおまけとして提供する。

Line Drawer の線画生成事例

プレーンな線画
プレーンな線画
影付きの線画
影付きの線画
カラーを付けた線画
カラーを付けた線画
スクリーントーンを載せた線画
スクリーントーンを載せた線画