凸版印刷、アイデアを試作・実験できる各種デジタル機器整備した拠点開設 DX事業拡大と新規事業創出へ

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2021/11/18 12:00

 凸版印刷は、DX事業の拡大、および新規事業の創出を目的とし、試作・実験の拠点「TOPPAN DIGITAL SANDBOX」(トッパンデジタルサンドボックス)を、秋葉原と本所の2ヵ所に開設した。

 同施設は、社員が最新のデジタルテクノロジーに触れながら、バックキャスティングとフォアキャスティング、双方の視点をもって新しい価値を創造し、新規事業のタネをつくる場として機能する。ローカル5G基地局や高速通信回線、デジタル機器、工作機器をはじめとし、試作や実験を自由に実施できる環境を整備。最新のデジタルテクノロジーと社内のリソースを掛け合わせ、同時に社内外との共創を通じて新規事業の創出を目指す。

 同社はニューノーマルの社会に向けたデジタルシフトの加速に対応する社会的価値創造企業を目指し、事業ポートフォリオ変革を進めている。現在、DX関連事業のコンセプトを「Erhoeht-X(エルへートクロス)」と名付け、デジタルテクノロジーと高度なオペレーションノウハウを掛け合わせ、データ活用を機軸としたハイブリッドなDX事業を展開している。一方で、DX事業のさらなる拡大には、既存ビジネスモデルから脱却し、新事業の創出を進めていかなければならず、社員同士で共創する場や、最新のデジタルテクノロジーを社内外から取り入れ、試行する場が必要だった。

 今回同社は、秋葉原に「TOPPAN DIGITAL SANDBOX AKIHABARA」を、本所に「TOPPAN DIGITAL SANDBOX HONJO」を開設。前者はデジタルテクノロジー利活用の構想・試作と社内外との共創拠点、後者は実験・技術検証としての役割を担っている。これらの場を活用し、XR/映像技術、自動認識/IoT/センシング技術など、デジタル領域のテーマを推進する。

TOPPAN DIGITAL SANDBOXについて

 事業ポートフォリオ変革につなげるために、最新のデジタルテクノロジー利活用を試行する場として、通信設備や工作設備など開発環境を整備し、秋葉原と本所にTOPPAN DIGITAL SANDBOXを開設。秋葉原では構想・試作を、本所では実験・検証を中心に、事業のタネを数多くつくることで、DX 事業の拡大と新規事業の創出を目指す。

 社員が、ありたい未来社会の想起から凸版印刷の DX 事業のあるべき姿を考えるバックキャスティング、社内のリソースや最新のデジタルテクノロジーなどから考えるフォアキャスティングの両観点で、アイデアを試行することを主たる目的として活動していく考え。

構想・試作拠点「TOPPAN DIGITAL SANDBOX AKIHABARA」の特徴

各種デジタル機器を整備

 ヘッドマウントディスプレイやドローンなどの各種デジタル機器を整備し、構想やアイデアを素早く試作できる環境を構築。自由にデジタルテクノロジーを利活用する試作や実験を実施することができる。

ハードウェア製作室を整備

 3Dプリンター、レーザーカッタ―などの工作機械や工具一式を整備し、アイデアを素早く形にできる環境を整えている。

プロジェクト専用ルーム

 社内外のプロジェクトメンバーが一定期間、構想・試作に集中するためのプロジェクト専用ルームを複数整備している。

実験・検証拠点「TOPPAN DIGITAL SANDBOX HONJO」の特徴

実験・検証できる環境を整備

 XR、IoT、ロボティクスなどのデジタルテクノロジーを実験・検証する施設として環境整備を行っている。

高速通信技術検証を行う実験場

 ローカル5G基地局構築のほか、高速通信回線やWi-Fi6などの通信環境を整備し、高速通信技術の検証をはじめ、IoAなど各種5Gアプリケーション、高精細映像やデジタルサイネージなどを用いたさまざまな実証実験を行う。

 同基地局は2021年5月にローカル5G無線局免許を取得し、Sub6帯(4.8~4.9GHz)の周波数帯を使用。また、スタンドアローン構成のため単独稼働が可能だという。

高速通信と親和性の高い施設が同拠点に集結

 同拠点内には、フォトスタジオ施設やさまざまな種類のデジタルコンテンツ制作施設があり、大容量の画像や映像伝送などを行っている。高速通信との親和性が高い施設と凸版印刷を代表するクリエイティブスタッフが同拠点に集まることでシナジー効果が期待される。

 同社は同施設を試作・実験を通じた共創の場と位置付け、今後はDX事業で重視している「製造DX」「流通DX」「生活者DX」「セキュアビジネス」「教育ICT」「地方創生/先端表現」「スマートデバイスビジネス」「マーケティングDX」を含め、さまざまな事業テーマに取り組み、事業創出の可能性を探る。

 2022年には社外メンバーとのハブ機能を持つ共創の場に拡張し、2025年にはデジタルテクノロジーを起点とした新規事業創出を目指すとのこと。