「顧客の期待に応えられていない」企業が4割 コロナ禍でDXがさらなる重要課題に/電通デジタル調査

  • X
  • Facebook
  • note
  • hatena
  • Pocket
2022/01/15 12:00

 電通デジタルは、「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2021年度)」を実施した。同調査は2017年以降経年で調査を続け、今回で5回目の実施となる。

 同調査の主な結果は、次のとおり。

DXに着手している企業は81% 2020年からは7%、新型コロナ流行前の2019年からは11%増

DXの取り組み状況
DXの取り組み状況

コロナ禍によりDXの必要性の再認識、重要視が進む

 コロナ禍による企業内でのDXの位置付けの変化については、65.1%が「重要度が上がった」と回答した。

新型コロナによるDXの重要度の変化
新型コロナによるDXの重要度の変化

自社が「変化する顧客の期待に応えられていない」と感じている企業が4割近く

 コロナ禍のもうひとつの側面として、自社が「顧客の期待に応えられていない」と回答した企業は39.2%に上る。多くの企業が危機感を持ち、顧客対応の進化・改善を必要としている結果となった。

変化する消費者や顧客の期待に応えられていると思うか
変化する消費者や顧客の期待に応えられていると思うか

「顧客の期待に応えられている」と回答した企業ほどDXへの取り組みが進む

 その一方、「顧客の期待に応えられていない」と回答した企業は、DXへの取り組みが「計画中」や「計画自体がない」といった回答が多く、DX推進が変化する顧客ニーズへの対応にも大きく相関していることが浮き彫りとなった。

成果創出企業ほどDX戦略の推進や事業モデル変革、新規事業開発に取り組む

 成果非創出企業に比べて、システム導入や既存事業でのデータ活用に留まらず、時代や消費者の変化に対応するために、DXで事業変革や新規事業開発に取り組み、成果を実感していることがうかがえる。

DXの取り組みの成果×DXの取り組みや計画している領域・内容で、非常に成果がでている(TOP1)ものと全く成果がでていない(BTM1)の差分

DXの取り組みの成果×DXの取り組みや計画している領域・内容で、非常に成果がでている(TOP1)ものとまったく成果がでていない(BTM1)の差分

成果創出企業ほどミッションやパーパスを制定

 DXの推進は企業全体に関わる重要な変革・取り組みのため、その基礎、スタートとして“変化する社会に対する企業の存在意義の再定義”や“デジタル化への対応・DXを通して実現したい提供価値”といった「ミッションやパーパスの制定」が重要となることがうかがえる結果となった。

調査概要
  • 調査対象者:従業員数500人以上の国内企業所属者
  • 算出用サンプル数:3,000サンプル
  • 調査対象者の業種:全業種 ※日経BPグループモニターおよび提携モニターを対象
  • 調査対象者の所属:経営・社業全般、経営企画・事業開発、営業/営業企画・販売、カスタマーサービス、製品開発、企画・調査・マーケティング、デジタル統括/推進、IT/情報システム、広報/宣伝
  • 調査対象者の役職:経営者・役員クラス、本部長・事業部長/部長クラス、課長クラス、係長・主任クラス
  • 調査時期:2021年9月29日~10月8日
  • 調査会社:日経BPコンサルティング