博報堂DYがAIで動画内の被写体/物体を解析、高速リサイズする動画広告制作支援プロダクトの実証実験

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2022/03/31 06:00

 博報堂DYホールディングスのグループ横断型の研究開発組織「Creative technology lab beat」(クリエイティブ・テクノロジー・ラボ・ビート/以下、beat)の一翼を担う博報堂DYホールディングスの研究開発部門「マーケティング・テクノロジー・センター」は、第3弾プロダクトとして、AI技術を用いて既存の動画広告クリエイティブを各種デジタルメディアに最適化されたフォーマットにリサイズする制作支援プロダクト「H-AI MOVIE RESIZER」を開発。同社グループ内の制作現場で導入、実証実験を開始した。同プロダクトを用いることで、通常1週間程度を要するリサイズ動画制作を数時間に短縮することが可能となる。

 動画広告は、デジタルプラットフォームやメディアごとに最適化されたフォーマットに合わせて動画を作り分けていくことでビジネス成果の最大化が期待できるため、単一のクリエイティブからメディアごとに最適化されたクリエイティブを数十から数百パターン作り変えていく必要がある。そのため、動画広告はテキスト広告やバナー広告以上に、企画・撮影・編集などの制作工数やそれにともなう費用を見据えた生産性の高いクリエイティブ制作体制が求められている。そうした課題に対応すべく、ベースとなる動画クリエイティブに対して、物体検出AIを用いて動画内の被写体・物体を解析、高速リサイズする制作支援プロダクト「H-AI MOVIE RESIZER」を開発し、同社グループ内の制作現場で導入、実証実験を開始した。

 また、博報堂DYグループオリジナル調査BestHITのデータを活用し、画像素材の配置位置による広告効果を予測し、予測結果をヒートマップで描画する動画広告評価AI機能(β版)を開発。今後、クライアント業務での実証実験を開始する予定だという。

動画広告評価AI機能(β版)イメージ図:動画内にロゴなどを配置する場合において、広告効果が相対的に高い配置位置を赤色に、相対的に低い配置位置を緑色でビジュアライズする(本図の場合は、自動車の周りに配置するのは効果的ではないということが示されている)

動画広告評価AI機能(β版)イメージ図:動画内にロゴなどを配置する場合において、広告効果が相対的に高い配置位置を赤色に、相対的に低い配置位置を緑色でビジュアライズする(本図の場合は、自動車の周りに配置するのは効果的ではないということが示されている)

 同プロダクトの特徴は、次のとおり。

  • 物体検出AIを用いてベースとなる動画から被写体を切り抜くクロッピング機能
  • クロッピング後の動画に、完成版に存在する画像素材の再配置を支援する機能
  • 動画広告評価AIを用いた、広告素材再配置支援機能(β版開発完了。実務での実証実験を開始予定)