音声をベースにしたソーシャルネットワークサービスのClubhouse（クラブハウス）は、アプリのアイコンを新たに変更し、ロシアの侵攻を受けているウクライナを支援するために、Clubhouseにて現地の状況をリアルタイムで24時間配信するルームを運営する海外クリエイター2人組を起用したことを発表した。新アイコンは、アプリを最新版にアップデートすることで自動的に変更される。新アイコンに関する詳細は、公式ブログにて確認できる。
新アプリアイコンについて
Clubhouseでは定期的にアプリアイコンを紹介している。今回、新アイコンとなったのは、ロシアから侵攻を受けているウクライナの最新情報をリアルタイムで配信しているClub「THE BIG PICTURE」の創設者で、ロシア人とイギリス人のハーフであるPyotr Kurzin氏と、ウクライナ出身で同ClubのモデレーターであるAnna Olizarivska氏。Kurzin氏は、Clubhouseでの活動のほかに、ポッドキャスト「The Global Gambit」のホストも務めている。また、Olizarivska氏は、ロシアによるウクライナ侵攻が開始された直後にキーウ（キエフ）の自宅からオランダ・アムステルダムへと避難した背景を持つ人物だという。
現時点で約2万4千人のメンバー数を有する同Clubでは、ロシアによるウクライナ侵攻に関して、ロシア人やウクライナ人、そして世界の人々の情報ギャップを少しでもなくすことを目的に、「Sitrep（状況報告）」と題して、ウクライナ現地の最新情報を24時間発信している。5月4日（日本時間）時点で、67日間連続で配信され、世界中から累計100万人以上の人々が参加した。スピーカーとしてウクライナ人兵士も参加しており、戦術に関する情報など、実際に地元メディアの情報収集にも役立たれている。また、同ルームのリスナーが開いた集会では、2千ドル以上の寄付金が集まり、ウクライナ人家族への避難場所の提供にも貢献するなど、広範な支援につながっている。さらに、Club「THE BIG PICTURE」では、隔週で、米国大統領の上級顧問、国際通貨基金（IMF）の筆頭副専務理事、ジョンズ・ホプキンス大学 高等国際問題研究大学院の専門家など著名人を招き、ルームを開催している。
ロシアによるウクライナ侵攻が続くなかで、Clubhouseを通じて、ウクライナ現地からリアルタイムで情報発信をしたり、世界中のユーザーが議論をしたりする動きが広がっている。Clubhouseは、ユーザーが安心して自由に発言できる環境を維持するための対策に取り組んでおり、ユーザーのプロフィールをフォロワーのみが閲覧できるようにする機能「Protected Profile（プロテクテッド・プロファイル）」を先月追加するなど、ユーザー情報保護の強化にも努めている。
