アドビ、広色域レンダリングの制御・自動化・最適化を実現する最新版プリントソフトウェア発表

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2022/06/07 06:00

 アドビは、透明効果など複雑なデザインやエフェクトを含むPDFファイルを印刷機器で迅速、高品質に出力するプリントソフトウェアの最新版「Adobe PDF Print Engine 6(以下、APPE 6)」を発表した。新しいテクノロジーや規格に対応し、ワークフローを効率化する新機能を搭載している。

 商業印刷が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックの影響から回復しつつある一方で、産業用印刷はインクジェットの力を活用した革新的なアプリケーションの開発により、急成長を続けている。APPE 6の機能は、優れた印刷品質を提供し、高次元の効率化を実現。また、ジョブインテリジェンスに基づいた最適な自動化処理を実現し、すべての印刷セグメントを強化する。

 APPE 6は、最新のシステムハードウェアと画像処理技術を最大限に活用できるように最適化されている。新しいカラー機能は、ブランドオーナーにスペクトルカラー(分光測色値)の採用を加速させ、デジタルかアナログかを問わず、特色インクの交換が不要な拡張色域印刷によるワークフローの市場牽引力を高める。プリプレスオペレーターは、印刷機で利用できるすべての色域を活用し、正確にコントロールすることで、企業のブランドカラーやグラフィック、画像を鮮やかに再現することが可能。ジョブ間のオーバーヘッド削減により、ジョブあたりの印刷ボリュームが減少するなかで、時間とコストの節約につながるという。

 APPE6 の新機能は、次のとおり。

効率化されたECG(拡張色域)処理

 CMYKプロセスインクに加え、オレンジ、グリーン、バイオレット(OGV)などのインクを使用する拡張色域印刷において、効率良く正確な色再現を行うために、シングルステージのハイパフォーマンスな色変換機能を備えている。

スペクトルブランドカラー

新しいスペクトルモジュールは、スペクトル定義されたスポットカラーを処理することができ、ジョブ処理のなかでシームレスなカラーマネジメントを可能に。

洗練された画像再サンプリング

画像サイズを変更する際、新しい強力なアルゴリズムにより、補間されるピクセルに対して最適化されたカラー値を生成。

グラフィックと後加工の統合

ニスや箔といったインライン装飾や、後加工用のダイラインなどの非グラフィック要素を管理・自動化するための高度な機能を提供。

ニス版/白版の自動生成

ニスやホワイトのアンダープリントデータを、実行時にジョブ要素から動的に自動生成することが可能。

強化されたバリアブル印刷

スケーラブルなMercuryアーキテクチャと連動して、バリアブルデータ印刷(VDP)とバリアブルプロダクト印刷ワークフローのサポートを強化し、最大速度であらゆる印刷機を駆動できるよう拡張することが可能。

 APPE6は、2022年6月よりアドビのプリントパートナーに提供される予定となっており、APPE6が組み込まれた製品は今年後半よりに順次発売される予定とのこと。