PIXTAがバーチャルヒューマン素材の販売を開始 3DCG分野進出、表現と事業の拡張を目指す

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2022/10/12 12:00

 ピクスタが運営する、写真・イラスト・動画・音楽素材のマーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」は、対話AI・バーチャルヒューマンの企画・開発を行うCapex(キャペックス)と協業し、人と見間違えるほど高品質な3DCGで制作された「フォトリアル・バーチャルヒューマン」素材の販売を開始した。

 今回のバーチャルヒューマン素材の販売を通じて、既存の人物写真素材の顔を架空の人物(フォトリアル・バーチャルヒューマン)に加工して提供するサービスや、将来構想中の3DCG素材への事業拡大とあわせて、3DCG人物モデル(バーチャルヒューマン)をキャスティングするサービスへの展開も視野に市場調査を行う方針。

Capexについて

 対話AIおよび3DCGの開発に強みを持つバーチャルヒューマンAI企業。法人向けには、対話AI・自然言語処理を活用しマーケティング・セールスオートメーションのソリューションを提供している。個人向けにはバーチャルヒューマンAIアプリ「PATONA」を提供している。

PIXTAについて

 プロ・アマチュア問わず誰もが自ら制作した写真・イラスト・動画・音楽をインターネット上で売買できるデジタル素材のマーケットプレイスとして2006年5月にスタート。あらゆるジャンル、媒体のクリエイティブを支える豊富なイメージ画像・動画・音楽を取り揃える。

バーチャルヒューマン素材概要

 今回、PIXTAが新たに販売開始するバーチャルヒューマン素材は、次の5点。

 これら5点のバーチャルヒューマン素材は、バーチャルヒューマンの企画・開発を行うCapexが提供する、人と見間違えるほど高品質な3DCGで制作された「フォトリアル・バーチャルヒューマン」と、実在する人物モデルを被写体に撮影された写真などを、人物モデル本人の許諾を得たうえで組み合わせて加工したもの。

 販売価格はPIXTAで販売中の画像素材と変わらず、定額プランでも購入可能。利用もPIXTAの利用規約に準じて使用することができる。

 PIXTAでは、今年5月末にスタートした3DCG・アバターを制作する新サービス「3DCGオンデマンド」を皮切りに、3DCG分野への進出を目指す。

 また「既存の人物写真をバーチャルヒューマンの顔に加工する」という新しいクリエイティブ手法が、現在のビジュアル市場(広告・宣伝・マーケティングなどの用途で使用されるビジュアルイメージとして)に受け入れられれば、「既存の人物写真素材の顔を架空の人物(フォトリアル・バーチャルヒューマン)に加工して提供するサービス」へと展開することで、ストック画像における次の課題を解決できると考えているとのこと。

解決できる課題

クリエイター

撮影した写真をもとに、3DCG技術で被写体の顔や髪型、肌色などを自由に加工・変更し、柔軟にイメージどおりかつ多様なクリエイティブを実現できる。

モデル

顔に依存せず、自らの強みを活かしたボディーパーツモデルとして活動、活躍できる機会を提供できる。

購入者

写真の構図や雰囲気は良いが被写体人物が自社のターゲットとマッチしない場合でも、3DCG技術で被写体の顔や髪型、肌色などを自由に加工・変更できるようになる。

 これらの課題の解決によって、写真素材はより自由かつ柔軟に表現を拡張していくことができるだけでなく、高品質な3DCG制作スキルをもつクリエイターが、制作物を写真と同様の需要に応える素材として作品を売買することも可能となる。

 3DCG制作スキルを持つ人々の才能を活かす道として、構想する3DCG素材はもちろん、2D画像としての需要や加工スキルを活かしたサービス展開も視野に、まずはPIXTAが、実在する人物モデルの顔をバーチャルヒューマンに加工した「バーチャルヒューマン素材」の販売を通じて、市場調査を行う。

 今後は、さらに複数のバーチャルヒューマン素材を展開しながら市場の需要を探り、将来的には、3DCG素材やPIXTAキャスティングとのシナジーを活かした、メタバース時代に向けた3DCG人物モデルキャスティングサービスの実現を目指す。