世界中で2,000万人以上、数十万のチームが利用するオールインワンワークスペース「Notion」は、チームや個人のノート、ドキュメント、Wiki、プロジェクト管理などの機能を備え、プログラミング知識なしでカスタマイズすることができる。これまでバラバラに使っていたさまざまなツールをNotion内のワークスペースに集約したり、チームのワークフローにあわせて最適な形に組みかえることで、生産性の向上・コラボレーションの促進・DXの実現に貢献する。
日本には世界的に見て大きなエンタープライズ市場があり、とくに2021年10月の日本語ベータ版リリース以降、企業ユーザーによるNotionの導入が加速。2021年9月からの1年間でチーム利用ワークスペース新規開設数の前年比伸び率は2.7倍、エンタープライズプラン前年比伸び率は2.3倍となった。また、ベータ版リリース以降はスタートアップにおけるさらなる浸透に加え、急成長を遂げる中規模企業や、大企業のとくにDX推進部門、イノベーション推進部門、新規事業促進部門などでの利用が拡大。
開催イベントではトヨタ自動車 、SOMPO Light Vortex、スマートニュース、LayerXが活用方法を共有。登壇したトヨタ自動車株式会社 未来創生センター長 古賀伸彦氏は活用の意図について、次のように語った。
「トヨタとして必要とされる存在であり続けたいと思っています。多様な仲間たちとワンチームでいること、そのためにフローとストックの情報だけでなく、その間にある思いを共有する手段として可能性を感じ、Notionを使用しています」
こうした企業利用の需要拡大に対応し、企業におけるNotion活用を強力にサポートするため、今年6月には日本法人のNotion Labs Japan合同会社を設立。また、10月にはヘルプセンターを完全日本語対応にするなど日本におけるサポート体制を整えている。
そんななか、2022年11月9日にNotionの日本語版を正式リリース。昨年のベータ版リリース以来、日本のユーザーから届いた数多くのフィードバックをプロダクトに反映し、日本語版においても英語版同様に自然で直感的に利用いただけるUI/UXを実現できたと判断。正式リリースに至った。
さらには組織の垣根を超えたNotionチャンピオン同士のつながりとサポートを促進できるよう、「Notionチャンピオンズコミュニティ」の日本語版の開始や、渋谷駅、東京駅、京都などへ掲示する屋外・交通広告にて、日本におけるNotionの認知度のさらなる向上推進を開始することも発表。これについて共同創業者兼CEOアイバン・ザオ(Ivan Zhao)氏は「日本に投資をすることで、日本の市場に対するコミットメントを示したいと思っています」と述べた。
また開催イベントでは、今後予定している製品のアップデートも発表。「ワークスペース管理」「プロジェクト管理」「アプリ連携」の3つにわけ、ソリューションエンジニア リードの林 優氏、カスタマーエクスペリエンス リード 伊藤真裕氏が解説した。
1)ワークスペース管理
1-1)ワークスペースアナリティクス
管理者やユーザーがワークスペース全体の利用状況を確認できる機能。
「大人数の組織でNotionを使って情報共有をする場合、チームごとの活用定着レベルをしっかり把握して、効果的なフォローをすることができるようになります。アクティブなチームスペースやページ、ユーザーなどに関する情報を管理画面から簡単に確認することができ、活用が進んでいるチームとそうでないチームを把握することが可能になりますので、上手く使えていないチームに対して情報共有するなどの対策をとれるようになると思います」(林氏)
1-2)コンテンツ検索
管理者がワークスペース内のあらゆるページを検索して、共有設定を変更することができる機能。
「ユーザーさんより非常に多くのリクエストをいただいていた機能です。これによって、会社がしっかり統制をきかせた状態で、みなさんがNotionで発信している情報を共有できるようになると思います」(林氏)
2)プロジェクト管理
2-1)サブタスク
「いままでNotionでは階層的にタスクを管理することが難しかったのですが、本リリースによってタスクの下にサブタスクを作成することが可能になりました。タスクの細分化をしてチームメンバーをアサインしたり、プロジェクトの進捗状況などをより細かく把握することができるのではないかと思います」(伊藤氏)
2-2)タスクの依存関係
タスク間の依存関係を新しく設定することが可能に。ビューの中でも依存関係が目視でわかるようになった。
2-3)繰り返しタスクテンプレート
「いままでNotionのデータベースで繰り返し発生するタスクがあるときには手動で新しいアイテムを作成する必要がありましたが、本リリースで、毎日、毎週、毎月など、自動で新しいタスクを作成することが可能になりました。たくさんのユーザーさんからフィードバックをもらっていた機能で、すでにリリースを完了しています」(伊藤氏)
3)アプリ連携
3-1)slack連携の強化
3-1-1)SlackのメッセージをSlack上からNotionのデータベースを指定して保存することが可能になった。
3-1-2)Slackの通知についてもアップデートを予定しているとのこと。「現状のSlack連携ですと、特定のNotionページが更新されるとSlackのページに通知がいくため、ノイズに感じてしまうケースもあったかと思いますが、本リリースによって特定のアクションの場合にのみSlackに通知することができるようになります」(伊藤氏)
3-1-3)Slack上のプレビューに関するアップデートでは、NotionのURLをSlackで張り付けるとタイトルとテキストがプレビューとして表示されていたが、画像も含まれるようになるとのこと。
3-2)Box連携
2022年10月にリリースされたアップデート。BoxのURLをNotion上に貼り付けることで、プレビューの表示が可能になった。
3-3)Asana連携
同じく先月リリースされたAsanaとの連携。Asanaのプロジェクトやタスクを同期データベースとして反映することができるようになった。
今後も、Notionではさらなるサービス体制の強化、機能の拡充を通じて、チームの生産性向上、コラボレーションの促進・強化、チームでの働き方の改革に貢献していく。