イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の開発・販売を行うセルシスは、欧州(イギリス、フランス、ドイツ、スペイン)のクリエイターを対象に新調査を実施した。
同調査結果の詳細は、次のとおり。
フランスでのWebtoon認知・購読率が急上昇
欧州クリエイター全体で、Webtoonをよく読む、またはたまに読むとの回答が41.9%あり、前回の調査との比較では7ポイントの伸びとなり、Webtoonの市場規模が着実に拡大していることが判明した。
国別で見ると、前回の調査でもっともWebtoon購読率の高かったドイツはほぼ横ばいの39.1%となり、高い購読率を維持。一方、イギリス・フランスでも購読率が高まっており、中でもフランスは23.1ポイントと大幅に上昇し、過半数を超える51.5%がWebtoonを読んでいると回答し、4ヵ国のなかでももっとも購読率が高いという結果となった。スペインはWebtoonを知らないとの回答が35.7%とあり、前回の調査よりはやや減少したものの依然として各国と比較するとその割合が高く、Webtoonがまだ広く認知されていないと考えられる。
Webtoonは、男性は30代、女性は10代~20代の若い世代にもっとも読まれている
男女のWebtoon購読率を比較すると、男性の方がより高く、また年齢が上がるほど高まり、30代でもっともWebtoonが読まれている一方、女性では10代、20代の若い世代の方によく読まれているという結果に。ただし10代においては男女の購読率に差が無く、幅広く受け入れられているといえる。
Webtoonの読者年齢層を全体で見ると、30代の男性を中心とした一部のファン層での人気になっていると考えられる。現在Webtoonを読んでいる10代から20代の若い女性が、30代以降になってもWebtoonを読み続けるような魅力的な市場となっているかどうかが、今後のヨーロッパ市場におけるさらなるWebtoon浸透の鍵になると思われる。
Webtoonが読まれている国ではマンガ制作を行う人も多い
趣味で創作活動をするクリエイターの創作ジャンルについて調査したところ、キャラクターイラスト・デザインが多く、続いてイラストレーションやグラフィックデザインなど、イラストの作品が多いことがわかる。コミックジャンルの作品では、19.4%が日本風マンガを、8.4%がWebtoonを制作している。
Webtoon購読率が高いフランスに注目すると、Webtoonだけでなく日本風マンガ、アメリカンコミックやバンドデシネといった、コミックジャンル全体の制作も比較的多い結果となっており、コミックの作り手側、読者側ともに、コミックジャンル自体の関心が高いことがうかがえる。コミックジャンルの読者が多く存在する地域では、コミックジャンルの創作意欲も高いことが相関付けられるといえる。
調査概要
- 調査期間:2022年8月3日~10月7日
- 調査対象:イギリス、フランス、ドイツ、スペインの4ヵ国
- 調査人数:計6,385名 ※2022年と同じ年齢構成で比較するため、40代の回答データは除いて集計
- 調査方法:オンライン調査
- 調査会社:Schlesinger社