視聴行動分析サービスを提供するニールセンデジタルは、動画コンテンツと動画広告の利用動向調査「ニールセン・ビデオコンテンツ アンド アド レポート 2023(Nielsen Video Contents & Ads Report 2023)」を発売し、そのレポートをもとにテレビ画面からの動画の視聴状況を分析し、発表した。
同レポートによると、テレビ画面からインターネット動画を視聴する人のサービス別視聴時間割合を経年比較すると、インターネット投稿動画と無料インターネット動画を合計した広告型インターネット動画の視聴時間割合が今年は19%で、昨年の17%と比較し2ポイント増加していた。
広告型インターネット動画の視聴時間割合は昨年から増加。視聴時間割合を年代別に見ると、34歳以下では、テレビ番組を見ている時間の割合がほかの年代と比較してもっとも低い一方で、インターネット投稿動画の割合が昨年よりも増加したことで、広告型インターネット動画の視聴時間割合は26%と、昨年から7ポイント増加している。すべての年代をターゲットとする場合も、広告型インターネット動画を活用することで、コミュニケーションの機会を増やしていくことが可能であることが推測できるが、とくに若年層とコミュニケーションを取る上ではCTV広告が非常に重要になってきているといえる。
若年層ほど有料インターネット動画サービスの利用率が高く、今後契約数を増やしたいと思っている人が多いことがうかがえる。そのため、有料インターネット動画に費やされる時間が、特に若年層において今後増えていく可能性も考えられるため、ここに費やされる時間の活用も検討する必要がある。
有料インターネット動画を消費者とのコミュニケーションに活用する方法の一例として、動画コンテンツ内に衣装や小道具などとして商品やサービスを登場させるプロダクトプレイスメントがある。この手法は古くより、映画やテレビ番組において用いられてきたが、近年ではインターネット動画サービス上のコンテンツにおいても活用されている。広告などの情報の受け止め方は年代によって異なるため、その影響度を把握したうえで活用していくことが重要である。
実際に、プロダクトプレイスメントの影響度を年代別に見ると、「商品やサービスを知る/好きになるきっかけ」や、「商品やサービスを検索した/公式ホームページを見た」、「利用/購入」につながる割合が、若年層ほど高くなっている。広告型インターネット動画サービスだけでなく、有料インターネット動画サービスもあわせて活用することで、若年層と効果的にコミュニケーションを取ることができると推察される。
調査概要
- 調査期間:2023年3月6日~9日
- 調査対象:パソコン、スマートフォン、タブレットのいずれかのデバイスを通して月1回以上インターネットを利用している日本全国の16才以上の男女
- 調査人数:約3,200人