ニコン、フルサイズミラーレスカメラ「ニコン Z9」のファームウェアVer.4.00公開 静止画・動画撮影の新機能も

  • X
  • Facebook
  • note
  • hatena
  • Pocket
2023/06/15 20:00

 ニコンは、フラッグシップモデルのフルサイズ/FXフォーマットミラーレスカメラ「ニコン Z9」(2021年12月発売)のファームウェアVer.4.00を公開した。

 「Z9」発売以降3度目の大型アップデートとなるファームウェアVer.4.00では、「オートキャプチャー」をはじめとした静止画・動画撮影に関する新機能を追加。また、ユーザーの声に応えて操作性や各種表示機能なども向上させ、「Z9」のさらなる進化を実現する。

 新機能「オートキャプチャー」は、撮影条件をカメラ側であらかじめ設定することで、被写体が撮影条件を満たしたときにカメラが自動で撮影をおこなう。撮影の一部を自動撮影に任せる、撮影者が長く留まれない場所にカメラを設置する場合など、「オートキャプチャー」によって撮影スタイルの新たな選択肢を増やし、静止画・動画の表現の幅を広げる。

 さらに、「N-Log」撮影時のISO感度の下限拡張、「ハイレゾズーム」の速度設定の細分化、スローモーション動画の追加などにより、動画機能の一層の充実を図った。静止画に関しては「3D-トラッキング」において、動きの速い小さな被写体の捕捉性能が向上。また、カスタムボタンに割り当てられる機能のさらなる拡充、電子シャッター音が選択可能になるなど、使い勝手をさらに向上させた。

 「Z9」用ファームウェアVer.4.00のおもな特徴は、次のとおり。

「自動撮影」で撮影スタイルの幅を拡げる「オートキャプチャー」

撮影条件をあらかじめ設定し、被写体が条件を満たすと自動で静止画撮影・動画撮影を行うことができる。撮影条件は、「モーション」「距離」「被写体検出」の3種類から設定可能。さらに、複数の条件を組み合わせ、すべてを満たしたときに撮影を開始するようにも設定できる。

複数台の「Z9」と併用して、1台は手持ちで撮影環境や状況に応じて移動しながら撮影を行い、ほかのカメラは三脚に固定し自動撮影を行う撮影スタイルも可能。また、これまで複数台を制御するために必要だった延長コードなどの準備や、複数台のリモートレリーズ時の接続の不安などもなく、複数の角度から被写体の撮影が可能となっている。

動画撮影機能のさらなる進化

「N-Log」時のISO感度設定範囲をLo 2.0まで拡張。より低感度側に設定することで暗部のダイナミックレンジを向上し、ノイズを抑えた階調豊かな暗部の表現が可能となっている。

また、「ハイレゾズーム」はボタンによる操作の速度設定を3段階から11段階に細分化。より幅広く微細な速度調整が可能になり、ごく低速での安定したズームなど、これまで以上に撮影意図に合わせたズーム表現が可能となる。さらに、カメラ内で簡単に、4倍スロー、5倍スロー動画を生成できる「スローモーション動画」機能も搭載した。

静止画撮影機能の向上

「3D-トラッキング」において、被写体検出できていない状況での動きの速い小さな被写体の捕捉性能を向上。また撮影現場のニーズに合わせ、「プリキャプチャー」における、動作を中断するまでの制限時間を30秒から300秒に延長し、シャッターボタン半押し状態での待機時間が長引いた場合でも、全押ししたタイミングから遡って記録することが可能となった。また、シャッターレリーズ動作の振動で生じる微細なブレも回避できる「露出ディレー」機能を新たに搭載した。

さらに洗練された操作性・機能性、そのほかの特徴

  • カスタムボタンに割り当てられる機能、操作ボタンを拡充
  • フォーカス距離指標に、フォーカスが合う位置までのおおよその距離数値表示を追加
  • 電子シャッター音が5つの音色から選択可能、最大音量を拡張
  • 静止画を拡大再生しながらコマ送りする際、フォーカスポイントにあわせて拡大位置を移動する「ピント位置優先」設定を追加
  • 動画再生時におけるプログレスバーの追従性を向上

 ニコンは、今後もファームウェアアップデートにより製品をさらに進化させ、ユーザーのニーズに応え続ける。