オンラインでのブランド構築やビジネス拡大を可能にするクラウド型プラットフォームの Wix.com Ltd.は、「Wix Headless」の日本語版の提供を開始した。同機能は、開発者が Wixの強力なビジネス機能を実装するために設計されたもので、組み合わせ可能な APIとソフトウェア開発キット(SDK)を使って、さまざまなプラットフォームや端末であらゆる技術スタックを利用できる。開発者は、SDKからWixのビジネス機能にアクセスして、Wixの包括的なプラットフォームで管理することが可能。これらのAPIは、「連絡先」や「チェックアウト」といったWixのほかの機能と同期しており、すぐに使うことができる。
Wix Headlessは、React、Vue、Svelte、Qwikといった主要なWebフレームワークと Wixのビジネス機能の使用を可能にし、ほかの主要なフルスタックソリューションとの連携も実現するもの。Wixと連携する最初のプラットフォームはNetlifyで、オンラインサービス予約機能「Wixブッキング」、イベント管理機能「Wixイベント」、ネットショップ機能「Wix ストア」、コンテンツ管理システム(CMS)、サービスの販売に最適な「販売プラン」の各APIがすぐに利用できる機能を提供する。これらのAPIを使うことで、クラスやコースの予約、来店・来院・面談の予約、定期プランの販売が可能な予約システムのほか、イベントページ作成から参加者の管理やチケット販売が可能なイベント管理機能、ネットショップ運営のための機能が実装できる。
Wixはこれまで、Wixのプラットフォーム内でより多くの機能が利用できるよう製品開発を行ってきた。これには、開発者がカスタムコードを利用するための「Velo by Wix」、高度なカスタマイズ性を有し、再利用可能なアプリケーションやウィジェットの作成が可能な「Wix Blocks」、デザイナーが直接Reactコードで作業ができる「Codux(コダックス)」といったツールが含まれる。Wix Headlessは、Wixが自社のプラットフォーム以外で動作するバックエンドを初めて公開したもので、開発者中心のソリューション群をより強固なものにし、さらなる拡張性とカスタマイズ性、ひいてはプロジェクトの迅速な提供を可能にする。
Wix Headlessの特徴
カスタムソリューションの作成
Wixプラットフォームのビジネス情報にアクセスして管理するためのAPIを使うことで、開発者は、デリバリーレイヤー、ウェブサイト、アプリがWixでない場合でも、Wixのビジネス機能とシームレスに統合するカスタムソリューションを作成することができる。
単一のダッシュボードで複数のビジネス機能を利用
Wixのビジネス機能のAPIは、Wixの決済機能と統合しているため、ダッシュボード内ですべてを管理することが可能。
複数のフロントエンドに対応
複数のクライアントをWixのバックエンドに接続して、顧客が事業者とやり取りする手段を最大化。たとえば、複数のウェブサイト、モバイルアプリ、スマートウォッチ用アプリで、Wixのバックエンドのビジネス機能に代わってサービスを提供することができる。
Wixの既存プロジェクトに追加のサイトやアプリを接続
Wixサイトを有する開発者は、ゼロから始めることなくWix Headlessの機能が利用可能。既存のWixサイトを維持しながら、同一のビジネスにアクセスしてサービスを提供する新たなサイトやアプリを追加することで実現可能となっている。
グローバルな決済インフラの活用
Wixの決済代行サービスを使うことで、開発者は複数の決済代行サービスを統合することなく、日本を含むアジア、南米、北米、ヨーロッパといった世界各国の決済手段と接続することが可能。