富士フイルム、ミラーレスデジタルカメラ「GFX シリーズ」最新モデルとして「FUJIFILM  GFX100 II」発売へ

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2023/09/13 06:30

 富士フイルムは、35mm判の約1.7倍となるラージフォーマットセンサー(※1)を搭載したミラーレスデジタルカメラ「GFX シリーズ」の最新モデルとして、「FUJIFILM  GFX100 II」(以下、「GFX100 II」)を2023年9月28日より発売する。

 「GFX100 II」は、現行比(※2)最大2倍の信号読み出し速度を可能とした、新開発の1億2百万画素高速センサー「GFX 102MP CMOS II HS」と、最新の高速画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載し、「GFX シリーズ」最高の高速連写・AF・動画性能を実現したフラッグシップモデル。

 「GFX100 II」は、ラージフォーマットセンサーならではの異次元の高画質を実現するとともに、ディープラーニング技術を用いて開発したAIによる被写体検出 AF と、最新の AF 予測アルゴリズムを「GFX シリーズ」で初めて搭載したミラーレスデジタルカメラ。連写性能が 8.0 コマ/秒(メカシャッター使用時)と従来機(FUJIFILM GFX100)から高速化し、防振性能も  5軸 8.0 段(※3)と向上したことで、ファッション・コマーシャル・風景撮影から、高速性能が要求されるスポーツ・報道に至るまで、「GFX シリーズ」の活躍フィールドを広げた。

 新センサーの搭載により動画性能も大きく進化しており、「GFX シリーズ」として初めて 8K/30P の撮影に対応。また、4K/60P の映像を 4:2:2 10bit で内部記録も可能。さらに、複数のフォーマットで動画撮影が可能な「動画フォーマット」モードを新搭載。マウントアダプターを装着することで、3種のレンズ(同社のシネマカメラ用ズームレンズ「Premista」「35mm フォーマットレンズ」「アナモフィックレンズ(35mmフォーマット)」)を装着した際に最適なフォーマットでの撮影が可能。このほか、向上した信号読み出し速度と、被写体を自動的に追尾してフォーカスを合わせるトラッキング AF とのかけ合わせにより、あらゆるシーンの動画撮影に対応する。

 さらに、ボディ本体に EthernetポートやHDMI Type A・USB-C端子を装備し、外部機器との接続に配慮した高いシステム拡張性を備える。また、高い視認性を確保する高倍率・高精細 EVF と機能美を極めたボディデザインが、プロ写真家・映像作家の快適な撮影体験をサポートする。

  • ※1:対角線の長さが 55mm(横 43.8mm×縦 32.9mm)で、35mm 判の約 1.7 倍の面積を持つイメージセンサー。
  • ※2:「FUJIFILM GFX100」や「FUJIFILM GFX100S」に搭載したイメージセンサーとの比較。
  • ※3:CIPA規格準拠 ピッチ/ヨー方向、「フジノンレンズ GF63mmF2.8 R WR」装着時。

製品特徴

1.「GFXシリーズ」史上最高の高速連写・AF性能を実現

・新開発の1億2百万画素高速センサー「GFX 102MP CMOS II HS」により、センサーの読み出し速度を現行比最大2倍に向上させ、8.0 コマ/秒の高速連写を実現。バッファメモリの増強とも相まって、非常に短いインターバルでストレスの無い高速連写を可能とする。

・アルゴリズムの改良により進化した顔・瞳 AF に加え、ディープラーニング技術を用いて開発した AIによる被写体検出 AF を搭載。動物・鳥・車・バイク・自転車・飛行機・電車・昆虫・ドローンを検出。ピントを合わせたまま狙った被写体を自動的に追尾するため、シャッターチャンスや構図に集中して撮影できる。また、従来機より進化した AF 予測アルゴリズムを搭載し、フレーム内を被写体が高速で移動し、高い動体追従性が必要なスポーツ撮影などでも、快適な撮影が可能。

・ファインダー倍率1.0 倍、944万ドットの高倍率・高精細のEVFを搭載。ファインダー使用時に、瞳の位置ずれにより発生する像流れや歪みを抑制し、高い視認性を実現する。また、表示フレームレート約120 フレーム/秒のブーストモードにより、被写体の速い動きを正確に把握できる。

2.静止画撮影における表現の幅をさらに拡大

・画素構造の改良により、新センサーの飽和電子数を向上させているため、ISO80 を常用感度として利用することが可能。ISO80 設定時、従来機よりもさらに広いダイナミックレンジ・低ノイズで撮影できる(16bitRAW記録時)。

・新センサーのマイクロレンズを改良し、センサー縁部の光の利用効率を向上。レンズ周辺部の画質やAF精度を従来機よりも高めている。

・多彩な色調を可能とする「フィルムシミュレーション」に、忠実な色再現性とメリハリのある階調表現を併せ持つモード「REALA ACE」を新たに搭載した。写真フィルムを選ぶ感覚で全20種類から好みのモードを選択し、多彩な色表現を楽しむことができる。

・4倍の解像力と忠実な色再現による撮影が可能な「ピクセルシフトマルチショット」を搭載した。ボディ内手ブレ補正機能を高度に制御し、イメージセンサーを0.5画素ずつ超高精度にシフトさせ16枚のRAWファイル撮影を実施。専用ソフトウェア「Pixel Shift Combiner」を用いて取得した16枚の RAWファイルを合成処理することで、約4億画素の画像を生成できるため、コマーシャルフォトや文化財のデジタルアーカイブ用途に最適。

3.あらゆる映像制作ニーズに応える充実の動画性能

・「GFX シリーズ」として初めて 8K/30P の撮影に対応。4K/60P の映像の 4:2:2 10bitでのカメラ内カード記録も可能であるなど、新センサーの搭載により動画性能を大幅に向上させている。

・センサー読み出し速度の高速化、ローリングシャッター歪みの抑制により、動きのある被写体を違和感なく表現。また、動画でも ISO100 を常用感度として設定できるため、より高品質な動画撮影が可能。

・Apple ProRes 422 HQ・Apple ProRes 422・Apple ProRes 422 LTの3つのApple ProResコーデックに対応。Apple ProRes 撮影時には Apple ProRes 422 Proxy などのプロキシ撮影も可能。動画の編集負荷を軽減し、撮影からポストプロダクションまでワークフロー全体を効率化・省力化することができる。

・複数のフォーマットで動画撮影が可能な「動画フォーマット」モードを新搭載。マウントアダプターを装着することで、3種のレンズ(「Premista」「35mm フォーマットレンズ」「アナモフィックレンズ(35mm フォーマット)」)を装着した際に最適なフォーマットでの撮影が可能。

・動画撮影中のトラッキング AF 機能を新搭載。 AF-C+ワイド/トラッキング AF 使用時に、追従する被写体をタッチで指定でき、複数の被写体が入るシチュエーションでも狙った被写体を逃さない。

・ダイナミックレンジを14+stop(「F-log2 Dレンジ優先モード」使用時/同社内部測定)に広げた「F-Log2」を「GFX シリーズ」として初めて搭載。階調豊かな映像を記録でき、ポストプロダクションでの自由度を大きく向上させる。

・HDMI経由で最大 8K/30P 12bit の動画 RAW データ出力が可能。ATOMOS 社製モニター「NINJA V+」でApple ProRes RAW、Blackmagic Design 社製モニター「Video Assist 12G」でBlackmagic RAW として記録することができる。

・ATOMOS AirGlu BTによるタイムコード同期に対応。複数のカメラへシームレスにタイムコードを同期することができ、さまざまな撮影現場の需要に応える。

4.高いシステム拡張性

・ボディ本体に Ethernet ポートや HDMI Type A・USB-C の端子を装備し、外部機器との接続性を大きく向上。さまざまな周辺機器と組み合わせて撮影できる。

・USB Type-C ケーブル経由で外付けSSDをつなげることで、写真や動画を外付けSSDに直接記録できる。4K/60Pや8K/30P など、モードやフォーマットを問わず記録することが可能。

・クラウドサービス Frame.io Camera to Cloudに対応。Apple ProRes Proxyファイルをはじめ多様な動画ファイルを直接 Frame.ioへアップロードすることができるため、撮影から編集までの業務スピードを向上させる。

・CFexpress Type B カードとSDカードに対応したデュアルスロットを採用。高速書き込みが可能な CFexpress Type B カードの使用により、「GFX100 II」の動画性能を引き出す。

・撮影時に画像に IPTC メタデータ(※4)を付加することが可能。デジタルカメラ「GFX/Xシリーズ」用アプリ「FUJIFILM XApp」でメタデータを確認・編集することができる。

※4:IPTC メタデータとは、IPTC(International Press Telecommunications Council)によって策定された、デジタル画像に含まれるメタデータの標準規格。

5.撮影を強力にサポートするハードウェアと機能美を極めたデザイン

・新開発のボディ内手ブレ補正機能を搭載。画像情報を使用してブレを検知することで補正の精度を向上させ、同社最大の5軸・8.0 段の防振性能を実現した。夜景などの暗い撮影シーンでも、快適な手持ち撮影を可能にする。

・実用性のあるボディデザインを追求して従来機から多くの項目を改善した。さまざまな角度でカメラを保持した際のグリップ力を強化する新テクスチャー「BISHAMON-TEX」を採用。また、軍艦部を手前側に傾斜させることで、最小限の視線移動で撮影情報を確認できる。天面のサブ液晶は従来機より大型化・GUI デザインを一新し、視認性を向上させた。

・各種ボタンの操作性向上に加え、グリップ上部に操作性の高い3つのFn ボタンを新たに配置することで、さまざまな撮影シーンの変化にスムーズに対応できる。