ディー・エヌ・エーが提供する次世代タクシー配車アプリ「MOV」は、AIを活用してタクシーの需要供給予測を行い、乗務員に対して経路をナビゲーションする「お客様探索ナビ」の商用化を開始した。
同システムは運⾏中のタクシー⾞両から収集するプローブデータ(⾃動⾞が⾛⾏した位置や⾞速などの情報を⽤いて⽣成された道路交通情報)を解析し、カーナビゲーションのように乗務員をリアルタイムかつ個別に利用客が待つ通りまで誘導する。タクシーの乗務員は目的地を入力することなく、この「お客様探索ナビ」に従って走行することで、効率的に利用客を探すことができる。また、利用客はよりスピーディに街中でタクシーを捕まえることができる。
同システムの最大の特徴は、需要と供給を予測し“ナビゲーション”という、乗務員が普段使い慣れているUIに落とし込んだ点。単にエリアの需要予測をするだけではなく、ほかのタクシーの供給量も加味しながら道路レベルで最適な経路を推薦する。
同社では商用化にあたり、2018年11月から5回の実証実験を行い実用性の検証をおこなってきた。サービスを実際に使用した乗務員からは、「実際に営業収入が上がり心強かった。実験後もナビに頼りたくなる」「提示ルートに納得感があり、収益性の高い典型的な営業ルートを再現できている」などの意見が寄せられた。
今回のサービス対象エリアは、神奈川県横浜市中区・西区・南区・神奈川区・保土ヶ谷区の5区で、今後データが集積し実用性が確立された地域などにも展開していく予定。
なお、同サービスは「AI探客ナビ(仮)」としていたもので、名称を「お客様探索ナビ」に正式決定した。