東急文化村(以下、Bunkamura)とNTT ArtTechnologyと大日本印刷(以下、DNP)は、メタバース空間での文化・芸術の“新しい鑑賞”を体感できる発信拠点として「Bunkamuraメタバース」を開発・構築し、2024年2月15日(木)に公開する。
その第1弾企画として、Bunkamuraが開催してきたオペラ公演をポスターや写真・映像で振り返る企画展、Bunkamura 35周年企画ポスター展「Bunkamuraオペラの軌跡~これまで、そしてこれから~」を開催。また同企画内では、2024年2月上演の「ORCHARD PRODUCE 2024鈴木優人&バッハ・コレギウム・ジャパン×千住博 モーツァルト:オペラ《魔笛》(新制作・全幕上演)」の魅力に迫る、特別展示も行う。
「Bunkamuraメタバース」の背景と概要
Bunkamuraは1989年にオープンし、バイロイト音楽祭の引っ越し公演をBunkamuraオーチャードホールで上演。以来、世界最高峰・最先端のオペラを招聘して日本にいち早く紹介するとともに、自主制作の作品による「Bunkamuraオペラ劇場」を立ち上げて、日本から世界に発信してきた。また、オペラ以外でも音楽・演劇・展覧会・映画など幅広く文化芸術の制作・普及を進めてきた。2023年4月10日以降は、東急百貨店本店(東京都渋谷区)の再開発にともない、日曜・祝日を中心に営業中のオーチャードホール以外は、文化施設としてのBunkamuraは休館している。
今回、オンラインの取り組みのひとつとして、仮想空間上での文化芸術の制作・発信を通じて、国内外の人々に広く文化芸術を楽しんでもらうことを目的に、「Bunkamuraメタバース」を開設。Bunkamuraの歴史とこれからを象徴する場所として、利用者は時間や場所の制約を受けることなく、メタバース空間で多様な文化芸術に触れることが可能となっている。ファン同士のコミュニケーションの活性化につなげていくことを目指す。
「Bunkamuraメタバース」の特徴
Bunkamuraメタバースでは、Bunkamuraが培ってきた音楽、演劇をはじめとしたさまざまな文化芸術の創造と制作ノウハウ、NTT ArtTechnologyのリアル・バーチャル上での新しい文化芸術体験を開発するノウハウ、DNPが国内外の美術館や博物館との協働により開発してきた鑑賞システムの構築ノウハウの相乗効果により、メタバース空間で新しい美術鑑賞や企画展を開催し、ファン同士のコミュニケーションをうながす。
1.メタバース空間でのイマーシブな鑑賞体験を提供
Bunkamuraメタバースでは国内外におけるさまざまな文化芸術の世界観を体感でき、作品関係者やそのファン同士のコミュニケーション機会の創出を実現。また、エントランス、ギャラリー、コミュニティースペース、シアターといった“空間アセット”を組み合わせることで、自由度の高い展示空間、コミュニケーション空間の構築を実現し、今後さまざまな展示、イベントなどを開催する。
2.各作品と多様な情報との関係を直感的に鑑賞できる独自の展示空間を展開
Bunkamuraメタバースでは、DNPが開発した「DNPコンテンツインタラクティブシステム みどころギャラリー XR型」を採用し、利用者に“新しい鑑賞体験”を提供。三次元空間で時間軸に沿った年表などにより作品の配置や作品同士の関係性を可視化するなど、利用者が直感的に理解を深めて楽しめるような、独自性の高い空間を提供する。
3.ウェブブラウザーで容易に体験可能でき、リアルとバーチャルの連動も可能
専用のアプリなどをインストールすることなく、パソコンやスマートフォンなどのウェブブラウザーでアクセス可能。外部のウェブサイトへのリンクに加え、メタバース内でのライブ配信やアバターによるガイドツアーなどによりリアルイベントと連動させ、各種リアル展示の関連情報に誘導することも容易に行える。
各社の役割
- Bunkamura:展示企画・キュレーション、「魔笛」特別イベント連動企画実施
- NTT ArtTechnology:企画構想・プロデュース
- DNP:プラットフォームの提供・運用、メタバース空間の制作、みどころギャラリー XR型の提供
今回の取り組み結果をふまえ、今後は、Bunkamura主催の企画展のほか、国内外の美術館とのコラボレーション展示や教育プログラムを検討する。