PIXTA、OpenAI APIを用い会話形式でPIXTAの写真/イラスト素材を検索できる「PIXTA検索アシスタント」公開

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2024/02/21 06:30

 ピクスタが運営する写真・イラスト・動画・音楽素材のマーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」は、OpenAI APIを用いて会話形式でPIXTAの写真・イラスト素材を検索できる新機能「PIXTA検索アシスタント」を公開した。

 これにより、まだイメージが固まっておらず、画像検索における具体的な検索キーワードが思いつかなくても、利用者の用途や抽象度の高いニーズからPIXTAがイメージの具体化・言語化を補助し、複数の画像素材を提案する。

Open AI API使用の新検索機能「PIXTA検索アシスタント」とは

 「PIXTA検索アシスタント」は、チャット形式でPIXTAの写真・イラスト素材を探せる、OpenAI APIを用いた新しい検索機能。使用用途やターゲット層などは決まっているが、まだ具体的なビジュルイメージがなく、検索キーワードが思いつかないなど、言語化しづらいビジュアルニーズに対し、同機能が要望を汲み取り、イメージの具体化・言語化したうえで、リリース段階では最大3パターンの切り口による画像群を提案する。

 これによりユーザーにインスピレーションを与え、適切な検索キーワードが思いつかないという問題を解決することで、画像検索にかける時間を約20%~60%削減できるという試算結果も得た。

 通常、具体的なイメージが固まっていない場合、下図のように、情報収集によって自分が求める画像イメージを固めて具体化し、脳内イメージに含まれる要素を分解、描写することで検索キーワードに落とし込み、画像を検索することになる。

 同機能では「情報収集によって自分が求める画像イメージを固める」「脳内イメージに含まれる要素を分解、描写することで検索キーワードに落とし込む」という工程を省くことが可能。

イメージがない状態で、PIXTA検索アシスタントを活用し、画像素材を探す場合の工程。

 今後は、PIXTAでこれまでユーザーが検索してきたキーワードの組み合わせや、画像ニーズと関連の高いキーワードなどのデータベースをAssistantに組み込むことで検索精度を上げたり、軽量なカスタムモデルを自社で構築することでレスポンスの高速化を図るなどを検討している。

PIXTA検索アシスタントの仕組み

 PIXTA検索アシスタントは、ニーズや目的から ストックフォト向けの具体的な検索キーワードを導出するAPIをOpenAI のAssistants API(モデル:GPT4) を使って作成した。

 クリエイティブ制作のパートナーを想定したプロンプトエンジニアリングによって、抽象度の高いニーズを最適かつ具体的なキーワードを出せるようチューニングしている。

 「PIXTA検索アシスタント」に対するユーザーリクエストをそのAPIに投げ、返却されたキーワードを使ってPIXTA内で画像を抽出し、検索アシスタントの結果として表示させている。

PIXTA検索アシスタントの仕組み

今後の改善

 PIXTAでこれまでユーザーが検索してきたキーワードの組み合わせや、画像ニーズと関連の高いキーワードなどのデータベースをAssistantに組み込むことで検索精度を上げたり、軽量なカスタムモデルを自社で構築することでレスポンスの高速化を図るなどを検討していく。

開発背景

 長年、ユーザーが「頭の中で描いている理想のイメージ」に近い画像を、より早く的確に探せるよう検索機能を充実・改善してきた一方、以前からユーザーの声として届いていた「まだ具体的なイメージが固まっていない場合、検索キーワードも思い浮かばず、検索に悩む」という課題は解決できていなかった。

 しかし、AI技術が進化した今、AIを積極的に活用すれば、約40万人のクリエイターそれぞれのアイデアが画像素材としてストックされているPIXTAから、ユーザーの具体化されていないイメージにインスピレーションを与えることが可能になると考え、PIXTA検索アシスタントの開発に至った。

 また、ほしい画像イメージが固まる前から「まずはPIXTA検索アシスタントに聞いてみる」が可能になれば、画像素材を欲するユーザーにとって、PIXTAがファーストチョイスとなりえると考えた。

 これまで「日本関連画像」というコンテンツ力で高い支持を得てきたPIXTAに、この利便性の高い新しい検索体験を付加することで、必ずしも日本関連画像を欲していなかったユーザーからの支持も獲得できるとの考え。

今後の展開について

 今回リリースした「PIXTA検索アシスタント」は、今後も改善を続け、ユーザーの制作活動を支援できるよう最適化を図ってまいります。新しい検索体験を提供することで、「日本関連画像の豊富さ」というPIXTAの強み以外でも画像を求めるユーザーのファーストチョイスになることを目指す。

 また、これを皮切りに、PIXTAのみならずビジュアルを軸に同社が展開する各事業においても、AI活用を加速させ、ユーザーに新たな顧客体験を提供していく。