電通は、サステナビリティ領域での新規事業・アクション案の創出を高速化する「Expert Idea 500 for SX」の提供を開始した。2020年に、ミーミルとVISITS Technologiesの協力のもと開発した、専門家・有識者から事業アイデアを提供してもらうことができるサービス「Expert Idea 500」を、SX(Sustainability Transformation)用にバージョンアップし、企業のサステナブルな事業成長を支援する。
2030年に向け、世界的なSDGsの流れが日本でも本格化しており、持続的な事業成長のための変革(SX)に取り組む企業が増えている。どのような業種のビジネスにおいても、サステナビリティ視点を踏まえた事業・アクションの開発が必須となっている一方で、「社内だけでは斬新な新規事業・アクション案が出にくい」「出てきた新規事業・アクション案を客観的に評価するのが難しい」などの課題もよく聞かれる。
こうした企業の声を受けて開発した今回の「Expert Idea 500 for SX」は、100名以上の専門家・有識者が短期間で500以上のアイデアを発想かつ評価し、新規事業・アクションコンセプト創出から具体的な事業・アクションの提案までを高速で支援する「Expert Idea 500」をベースに、サステナビリティ領域に特化した人財・発想法・評価法を新たに付加したサービス。
同サービスのポイントは、次のとおり。
1.サステナビリティの専門家を増強
さまざまな業界・職種の専門家で構成されるミーミル社のグローバルネットワーク「NewsPicks Expert」に、サステナビリティ領域での知見を豊富に持つもしくは事業開発の経験がある有識者を追加。案件やテーマに合わせ、サステナビリティ領域の専門知識に基づいた多様なアイデアの創出が可能。
2.「サステナペルソナ」を活用した専門家へのインプット
専門家によるアイデア創出を促進するため、インプット資料として、電通が開発した「サステナペルソナ」(サステナビリティに影響力のある生活者の心理的欲求や行動原理を12のタイプにまとめ分析)を活用。これによって、インサイトを踏まえたより強い新規事業・アクション案の創出や、事業としての実現可能性を高めることが可能に。
3.サステナビリティ視点での評価指標を追加
従来の評価指標であった「事業としてのフィジビリティ」「事業としての競争力」などにプラスして、「自社および社会のSXに対する貢献度」「グリーンウォッシュを防ぐ視点」といったサステナビリティにとって不可欠な評価指標を追加。中長期的な価値やリスクも踏まえた、総合的な評価が可能に。
各社の役割としては、ミーミル社が専門家・有識者ネットワークを管理運営し、VISITS社がアイデア創発のための意見収集・分析クラウドシステム「VISITS forms」を提供。電通は、同ソリューションの全体設計から、案件ごとのオリエンテーション資料作り、収集されたアイデアのカテゴライズや優先順位付けなどをおこない、具体的な事業・アクションの提案や実行までを支援する。
今後も同社は、SXに寄与する新規事業・アクションの創出を支援することで、顧客企業の企業価値向上に貢献していく。