矢野経済研究所は、国内外のXR(VR/AR/MR)および360度動画市場を調査し、地域別世界市場、HMD製品出荷状況などXR・360度動画市場の将来展望を明らかにした。
XR(VR/AR/MR)360度動画市場の拡大はゆるやかであり、2019年の国内XR・360度動画市場規模(事業者売上高ベース)は3,951億円を見込む。ハードウェア、ソフトウェアの問題に加え、ビジネスモデルの構築が進んでいないことがその大きな要因となっている。
カテゴリー別の市場規模見込みは、下記のとおり。
- ゲーム:475億円
- コンテンツ:84億円
- 報道・広告・宣伝:75億円
- 位置情報・旅行:110億円
- エンタープライズ:204億円
- 医療・ヘルスケア:85億円
- 教育・研修・トレーニング:44億円
- SNS:8億円
- 制作・流通:173億円
- 劇場・テーマパーク:44億円
- VR機器:2,569億円
将来展望としては、2020年から5G(第5世代携帯電話サービス)導入が本格化する。2022年以降にはエリアカバレッジをはじめ、5Gの環境整備が進む可能性が高く、5Gの特徴である高速・大容量通信を生かして、XR(VR/AR/MR)360度動画市場も大きく発展する見通し。
5Gの導入によりコンテンツ・サービスのクラウド化が進むとみられ、メンテナンスやコンテンツ管理の効率化がより進む。また、コンテンツ品質が大きく向上することが期待でき、XRは移動体通信事業者にとっても重要なサービスとなる可能性が高い。
さらに個人による360度動画のリアルタイム配信も可能になるなど、5Gの導入はXR(VR/AR/MR)360度動画市場にとって大きな環境変化となる見込み。
2025年の国内XR(VR/AR/MR)360度動画市場(事業者売上高ベース)は1兆1,952億円になると予測する。