わらび座とヘラルボニーによる、境界を越えた”劇場体験”の創造を目指す新企画「イーハトーブシアター」始動

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2024/12/05 07:30

 劇団「わらび座」とヘラルボニーは、文化的、物理的、経済的な境界を超え、多様な人々に舞台による感動を届けることを目指し、新たに「イーハトーブシアター」を共創する。ヘラルボニー契約作家のアートとテクノロジーの出会いによる、境界を超えた新たな劇場体験を届ける。

イーハトーブシアターが目指す3つの境界の突破

 イーハトーブシアターでは、次の3つの「境界」を超えることを目指す。

文化的境界

劇場未経験の観客にも楽しめるよう、観劇マナーに縛られず、デジタルアートを活用して鑑賞者同士が互いの存在をポジティブに感じられる仕掛けを導入する。

物理的境界

聴覚や視覚の障害を理由に劇場を諦めていた人々にも安心して来場できるよう、アクセシビリティを充実させる。

経済的境界

経済的な格差による文化体験の制約を克服するため、企業・行政の支援を得て、全国の子どもたちを招待する取り組みを行う。

イーハトーブシアターの特徴

1.異彩を放つ作家のアートが舞台を包む

アート作品を舞台美術や衣装に取り入れ、独創的で多様性を感じられるステージを実現する。宮沢賢治の描いた童話世界を鮮やかに彩る。

2.テクノロジー×アートによる没入型の観劇体験

観客はドラマの変化に呼応して色を変え光るボールをハグして観劇します。舞台と客席の境界をなくすデジタルアートによる演出で、観客自身が舞台の一部となり、観客1人ひとりがお互いをポジティブに感じられる仕掛けを盛り込む。

3.民俗芸能を活かしたキャラクター

わらび座が長年培ってきた民俗芸能の技術を活かし、ミュージカルに登場する動物や人間、植物などの個性的なキャラクターを表現する。

4.アクセシビリティを強化

precogがアクセシビリティ監修を担当。「物理的・経済的なアクセスのしにくさ」、鑑賞ルールの徹底から生まれる「感動へのアクセスしにくさ」などさまざまなボーダーに目を向け、誰もが安心して楽しめる観劇環境を提供する。

開催概要

 全国8地域で「拠点公演」を開催する。同公演では、地域の子どもたち(特別支援学校を含む)の招待事業のほか、ヘラルボニ―との共創事業、precog監修による各種鑑賞サポートが行われる。そのほかは「巡回公演」として、2025年度で約60回の上演を見込んでいる。2025年は国連の指定する「国際協同組合年」、2026年は「宮沢賢治生誕130年」の記念もあわせて全国ツアーを開催する。