博報堂DYホールディングスら、「STRATEGY BLOOM CM ANALYSIS」を開発

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2025/03/04 14:00

 博報堂DYホールディングスと博報堂テクノロジーズは、統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM(クリエイティビティ エンジン ブルーム)」に、マーケティング・コミュニケーション領域におけるTVCM分析業務を支援する「STRATEGY BLOOM CM ANALYSIS」を開発、社内での利用を開始した。博報堂DYグループオリジナルのTVCM定点観測調査データであるBestHITを活用し、過去に放送されたTVCMに関する分析を可能とすることで、より広告効果の大きいTVCM企画の実現に寄与する。

背景

 近年、少子高齢化や人口減少、市場の成熟、生活者の行動変化など、ビジネス環境は急速に変化しており、多くの企業は新たな成長領域への投資加速や既存市場での投資効果最大化が求められている。このような環境下で、企業のクリエイティブ戦略の見直しも今後の成長を左右する重要な要素となっており、広告会社においてもさらなる広告クリエイティブの効果・効率の向上や提案力の強化が喫緊の課題となっている。

 TVCMはその規模と影響力から、依然として重要なコミュニケーション手法のひとつ。しかし、ブランディング効果を求めるTVCMにおいては、放送開始から効果が観測されるまでの期間が長く、特に認知獲得や生活者の態度変容を目的とする“ブランデッドクリエイティブ”では、最適化のさらなる進化が重要となる。

プロダクト概要

 STRATEGY BLOOM CM ANALYSISは、2007年から実施している博報堂DYグループオリジナルのTVCM定点観測調査データであるBestHITを活用し、多様な分析メニューとTVCM素材のメタデータを統合したTVCM分析を支援するプロダクト。TVCMの基本情報の閲覧や最新トレンドの把握だけでなく、クリエイティブ分析を可能とする事で、TVCMプラニング業務の効率化・高度化を実現する。

CMランキング

博報堂DYグループオリジナルの指標である、そのCMがどれだけ効率的に生活者の関心を引いたかを評価する「気になる投票効率指数」や、「魅力演出度」、「注目喚起度」といったさまざまな評価指標で週次・月次・累計のTVCMランキングを閲覧でき、「今、生活者に評価の高いTVCM」を多面的に把握することが可能になる。

個別CM分析

出稿情報や出演者などの「TVCM基本情報」とBestHITデータによる「広告効果」を同一画面上で閲覧しながら分析することが可能で、効率的なクリエイティブ分析業務を実現する。

クリエイティブ分析メニュー

博報堂DYグループのクリエイティブ分析業務のノウハウを標準化し、さまざまな分析メニューを提供する。視聴率や放送時期などのTVCMの基本情報に加え、業種や出演者、さらには性別・年代別の聴取結果など、多様な条件を設定し、あらゆる角度からクリエイティブを定量的に分析できる。搭載された複数の分析メニュー(比較分析、相関分析、散布図分析)を活用することで、BestHITデータを起点に着目すべきKPIを特定し、そのKPIに寄与するクリエイティブ要素を探索できるため、クリエイティブ戦略策定に十分な分析結果を得ることができる。

BestHIT

東京キー局で放送されたすべてのTVCMについて、商品・サービス・ブランドなどのさまざまなテーマの表現効果を測定する博報堂DYグループオリジナルのTVCM定点観測調査。2007年から開始し、現在までに約35万素材のCMについて調査データを蓄積。

今後の展望

 今後、TVCM動画から広告効果予測を行うTVCM動画評価AI(特許出願中)の実装を予定している。本機能を実装することで、過去に放送されたTVCMの広告効果に関する要因分析などの高度化を実現するだけでなく、制作過程の動画に対する広告効果の事前予測が可能となる。クリエイティブ制作フェーズを支援するCREATIVE BLOOMのプロダクトとシームレスに連携することで、より効率的なクリエイティブ制作PDCAの実現を目指す。