360度写真から対象ごと最適な構図を切り出すAI技術リリース 見守り・防犯やイベントに活用へ

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2020/04/10 15:15

 電通国際情報サービス(ISID)のオープンイノベーションラボは、360度写真から対象ごとに最適な構図を切り出すAI技術「Image Molder」を開発した。同技術を活用して、任意の場所に設置した360度カメラで自動撮影した連写データを、クラウド環境にアップロードし、対象物ごとに最適な構図で平面写真を切り出し、フォルダに分類するまでを人の手を介することなく自動で行う仕組みを実現している。

「Image Molder」概要

 写真に写る人や物などから指定の条件に合った対象をAI技術により認識、対象ごとに最適な構図に調整して切り出す技術。同技術を活用し、以下のプロセスを人の手を介することなく自動で行う仕組みを実現した。

  1. 任意の場所に設置した360度カメラで周囲を連続撮影、クラウド環境にアップロード。
  2. クラウド上で、AI技術により対象ごとに最適な構図に調整後、平面写真へ切り出し。その平面写真をタップすると、ほぼ同様の構図に調整された360度写真への遷移が可能。
  3. 切り出した写真を指定した条件に基づいて分類、共有。

 同社では、これを応用して幼稚園・保育園など向けに、子どもの活動記録写真を自動で撮影、園児ごとに最適な構図に調整・切り出し・分類するシステムのプロトタイプを開発し、幼稚園型認定こども園まこと幼稚園(栃木県宇都宮市)協力の下、実証実験を行った。

実証実験について

 通常、幼稚園・保育所などでは、子どもの活動記録の写真撮影が日常的に行われており、多くの場合、教諭や保育士が撮影・選定・共有のために一定の時間や労力を割いている。今回、同技術を活用することにより、以下のような仕組みを人の手を介することなく実現・提供した。

  • 360度カメラを設置、自動撮影することによる、園児たちの日常の自然な様子の記録
  • 撮影データから1人ひとりの園児をAIが識別、最適な構図に調整した写真の切り出し
  • 園児別に自動でフォルダに分類
  • 保護者が自分の子ども用フォルダのみを閲覧・ダウンロードできるアプリの提供

 同社では今後、同実証実験で得られた知見を基に、同技術のさらなる機能拡張を図るとともに、保育分野をはじめ見守り・防犯やイベントなど、幅広いシーンでの活用を想定したプラットフォームサービスとしての展開を目指していく考え。

 なお、同技術の開発にあたっては、クウジットが技術パートナーとして協力している。