電通ら、人工生命技術を用いて自然界の音の豊かさを表現する体験展示を東京・表参道で実施

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2020/12/22 05:00

 電通国際情報サービス(以下、ISID)のオープンイノベーションラボは、電通と共同で、ALife(人工生命)技術を用いて音のニッチ仮説に基づいた自然界の音の豊かさを表現する体験展示「Alternative Comfort(オルタナティブ・コンフォート)」を、12月19日(土)から25日(金)まで、表参道で実施する。

 同展示は、生態音響学者バーニー・クラウス氏が提唱する生物が音のすみわけを行い進化したとする音のニッチ仮説に基づき、ALife(人工生命)技術を用いて自然環境にあるような複雑さを持つ豊かな音空間の自律的な生成と、その音が生み出す現象を波や光で表現するプロトタイプ。同展示による聴覚・視覚体験を通して、来場者がどのように感じるかを検証する。

 同展示には、同社とALIFE Lab.が共同研究により開発した、周囲の音環境にはない周波数帯を遺伝的アルゴリズムにより感知・発生させるサウンドスケープ生成装置の技術が活用されている。

 ALifeとは、自然の生命に特有の振る舞いを示す人工的なシステムを構築し、シミュレーションをすることで、生物を構成する物質そのものに留まらず、その背景にある生命の成り立ちや仕組みといった、生命現象の原理を明らかにしようという試み。「自律性」や「進化」などを生み出す「生命のOS」を見つけようとする活動だという。AI(人工知能)の限界を超える可能性を持つ研究領域として注目を集めており、ISIDは2019年よりALIFE Lab.と社会応用に向けた共同研究を続けている。

 両社はこれまでも、2019年12月に開催された電子音楽とデジタルアートの国際的な祭典「Mutek.jp(ミューテック・ジェイピー)」におけるサウンドスケープ生成装置のプロトタイプ展示や、2020年7月にモントリオールでバーチャル開催された人工生命国際学会「ALIFE 2020」において、その研究成果を発表している。今回は電通の社内横断組織「デジタル・クリエーティブ・センター」協力の下、社会応用の検証を目的として同展示を行う

展示概要

  • 展示物:Alternative Comfort~ALife Installed
  • 展示場所:表参道 COMMUNE「IKI-BA」 港区南青山3丁目13
  • 展示期間:2020年12月19日(土)~25日(金)11:00-20:00