――まずは御社の事業概要について教えてください。
QEDでは、ノーコードを中心とした技術を用い、ゼロからイチに特化したシステム開発・教育事業を行っています。ノーコードを用いたシステム開発により、コーディングを用いた従来の開発から開発コストを最大で80%削減することが可能です。ノーコード相談プラットフォーム「NowHow(ノウハウ)」、Shopifyを用いたEC制作サービス「QEDコマース」などのサービスも展開しています。
――2021年6月に提供を開始された「Pakeji(パケジ)」にはどういった特徴があるのでしょうか。
Pakeji(パケジ)は、ノーコード技術を活用したIT人材不要のシステム導入プラットフォームです。Pakejiには、社内業務効率化や新規サービス立ち上げなど、さまざまなシチュエーションに合った数多くのシステムテンプレートが存在します。テンプレートはノーコードで作成されているため、IT人材がいない場合でもシステム要件に合わせて誰でもカスタマイズすることが可能です。Pakejiを利用すれば、ウェブサービスを最短2週間でリリースすることもできます。
――本サービスを開発するに至った経緯について教えてください。
QEDでは、これまで多くの企業からノーコードを用いたシステム開発の依頼をいただいてきました。
ノーコードで開発を行うため、コーディングを用いる従来の期間と比較してサービスリリースまでの期間は当然短くなるのですが、ご依頼いただくシステム開発の内容には一定の傾向が存在することに気づきました。
ノーコードで構築するシステムをパッケージ化すれば、開発をより高速化でき、企業さまがサービスをリリースする速度を上げることができるのではないか――。そんな思いで、今年2021年2月に構想し、パッケージの開発を行ってきました。
私自身、以前サービスの立ち上げに関わった際、サービスのリリースおよび改善速度は非常に重要だと感じました。Pakejiにより開発のスピードが上がり、サービスの立ち上げが加速する。そしてそれが新規事業の成功確率を上げることにもつながると考えています。
――本サービスの開発にあたり工夫した点はありますか?また苦労したことがあれば教えてください。
Pakejiの開発では、よりニーズの高いシステムから構築していくことを意識しました。
これまでノーコード開発の依頼をいただいたものには、マッチングシステムや社内管理システム、会員制システムなどが含まれていたのですが、そういったシステムは市場での開発ニーズも高い。そこでそれらを開発すべきもシステムの上位に優先づけ、順番に取り組みました。
一方苦労したのは、それぞれのシステムのパッケージに、どれだけの機能を盛り込むかを検討する段階です。
提供するパッケージにおいては多くのシステム用途に対応できることが理想ですが、そのためには一定の汎用性が求められます。ただ、機能を増やしすぎるとパッケージの汎用性が薄れてしまいますし、逆に機能を減らしすぎるとパッケージを導入する意義が少なくなってしまう。そのバランスにとても悩みました。
この課題に対し私たちは、最低限の機能をベースにトレーニングコンテンツを作成。これにより、アドオンで機能を足すことができるようにしました。また、弊社でのサポートおよびカスタマイズもできるので、必要に応じて機能を追加したり削除することも可能です。
――Pakejiをこれからどのようなサービスに成長させていきたいですか?
今後はよりパッケージを多様化し、さらに多くのケースに対応できるようにしたり、マーケティング企業との協業体制を構築し、Pakejiを利用いただいた事業の成功確率をさらに高めていきたいと考えています。
また、ノーコード開発に注力する中で「ノーコーダー」とも呼ばれる、ノーコードを用いた開発を行うエンジニアの市場価値を高めることで、ノーコーダーの人々がより多くの開発に関われる環境も作っていきたい。Pakejiのプラットフォーム化を進め、より多くのノーコーダーがこのプラットフォーム内でパッケージを出品できるような体制を作っていく予定です。