DXの認知度は16%、取り組む職場は1割 情報デジタル化やITスキル向上が課題に/アスクル調査

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2021/07/27 05:00

 アスクルは今回、事業所向け(BtoB)サービス「ASKUL」に登録している事業所を対象に、「働く人のDXに対する意識と職場のDXへの取り組み」に関する調査を実施した。

 同調査では、近年企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれるなかで、働く人のDXに対する意識と職場のDXへの取り組みの現状および課題を把握するため、ASKUL事業リサーチ専門チームが調査、全国2,693の事業所の回答を得た。

 同調査内容の詳細は、次のとおり。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の認知度について

 『「DX」という言葉を知っているか?(単一回答)』という問いに対して、「内容を詳細まで知っている」は、約3%。「内容をある程度まで知っている」まで拡大しても、約16%とだった。

 業種別では、「IT・情報・通信サービス」「士業・コンサル・専門サービスなど」「出版・印刷・写真・デザイン・装飾」が全体と比較して5pt以上高かった。一方、「設備工事」、「運輸・郵便・倉庫・物流業」、「電気・ガス・水道・鉱業・エネルギー」は、全体と比較して5pt以上低い結果となった。

 従業員規模別では、特に「500人以上」の大企業で認知度が3割となっており、499人以下の規模との差があり、もっとも低い層と比較すると、約20ptの差だった。

職種別では、管理職や専門職、個人事業主の認知が高い傾向にあった。

 DXという言葉の認知経路について調べると(複数回答「インターネット(ニュースサイト)」がもっとも多く5割、続いて「テレビ」が48.7%だった。

 DXを認知している人に対して、勤務先でのDXの取り組み具合についてたずねた。その結果、DXに「取り組んでいる」は10.3%、「検討している段階」まで含めると、3割まで拡大。「わからない」が4割いるが、そもそものDXの認知において、名称のみ認知が含まれるため、実際の取り組みについての認知は低いものと推測される。なお、回答者の全数ベースでは、DXに「取り組んでいる」は5.1%。「検討している段階」まで含めると15%だった。

 業種別では、「取り組んでいる」が「IT・情報・通信サービス」で21.3%ともっとも高く、続いて「教育」で18.5%だった。

 従業員規模別では、「取り組んでいる」が「500人以上」で31.5%ともっとも高く、それ以下の層とは半数以上の開きがあることがわかった。

 「勤務先がDXを取り組んでいる(検討段階含む)」と回答した人を対象に、どの分野で取り組んでいるかをたずねると、「業務の自動化、効率化、生産性向上」が56.0%、続いて「情報管理・情報共有のデジタル化」が51.4%となり、この2項目が5割を超える。

 「業務の自動化、効率化、生産性向上」について、業種では製造業、従業員規模では「50~499名」がもっとも高い結果となった。

 DXを取り組んでいる(検討段階含む)」と回答した人を対象に、担当する部署や組織の有無を聞いた。(単一回答)

 すると、17.9%がありと回答。従業員規模別では、大きくなるにつれて設置比率が高まっており、また、「土木・建設・建設資材」と「製造業」で3割を超える比率だった。

 「DXを取り組んでいる(検討段階含む)」と回答した人を対象に、責任者の有無をたずねた。すると、24.8%がありと回答。担当部署や組織と同様、従業員規模が大きくなるにつれて比率が高まっていた。また、責任者を配置している業種は「製造業」が3割を超えていた。

 勤務先でDXに取り組む際の課題について、当てはまるものを聞いたところ、もっとも高いのは「社員・従業員のITスキルの向上」で50.6%と半数に。続いて、「データの整備や活用」で42.0%となった。

 業種別では、土木・建設・建設資材で「社員・従業員のITスキルの向上」が全体と比較して10pt以上高く、また、規模が大きくなるにつれて、課題として捉えている項目が多い結果となった。

 勤務先でDXに取り組む必要性について質問した結果、「情報管理・情報共有のデジタル化」がもっとも高く、57.4%。続いて、「データの統合、共通化」が55.2%だった。そのほか、「業務の自動化、効率化、生産性向上」と「人事や組織運営、働き方改革」が5割を超える結果となった。

 業種別では、「IT・情報・通信サービス」や「教育」はそのほかの業種と比較して、各項目で必要度合いが高い傾向に。製造業においては、その業態から「研究開発、製造開発」や「物流・SCMの変革」で必要度合いが4割を超えている。

 従業員規模別では、全体傾向として、規模が大きくなるにつれて、課題として捉えている項目が多かった。

調査概要
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:事業所向け(BtoB)サービス「ASKUL」に登録している25超の業種
  • 調査エリア:全国
  • 調査期間:2021年5月28日(金)~6月7日(月)
  • 回収サンプル数 :2,693
  • 設計・実施・分析:ASKUL事業本部 リサーチ&ビジネスサポート