――まずは御社の事業概要について教えてください。
「いいモノを世の中に広める」ためのコミュニケーション戦略を提供している総合PR会社です。SNS施策やアドテクを活用した動画戦略、ウェブメディア運営など最新のマーケティング手法を継続的に取り入れながら時代に合わせたあらゆるコミュニケーションサービスを、従来の戦略PR領域にとどまらず、ワンストップで提供しています。
――2021年7月に提供を開始した「バーチャル発表会」にはどういった特徴があるのでしょうか。
バーチャル発表会は、CGを用いてブランドの世界観を自由に演出できるサービスです。オンラインで行うことの利点を活かし、グリーンバックのクロマキー撮影スタジオでプレゼンテーションを収録。約100パターンにのぼる会場風景のCGを合成することで、バーチャルでの発表会を作り上げることが可能です。
記者発表会やPRイベント当日は、配信プラットフォームにて公開するだけで発表が完結するため、発表会全体の運営・造作・ライブ配信のコストを削減することもできます。また造作物が不要になることで、環境負荷を減らすことも可能です。ベクトルグループでは事業を通じて、クライアントとともに社会課題に向きあい、CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)を実現したいと考えているため、本サービスはSDGs活動の一環も担っています。
また、映像コンテンツや演出のつくりこみ、オフィシャル素材のセットアップを事前に充実させておくことができたり、前もって発表会動画を短尺の動画ニュースとして編集しておくことで、発表会当日に自社ソーシャルメディアでの配信や動画広告によるターゲットへの配信を企業自らが行うこともできます。そのため、最大のリーチ効果を発揮するための発表が可能になると考えています。
――本サービスを開発するに至った経緯について教えてください。
本サービスの構想がスタートしたのは、2021年初旬ごろです。
ベクトルグループでは企業さまの記者発表会を中心に、年間総数700件のイベントを手掛けていますが、2020年コロナ渦となり初めて発出された同年4月の緊急事態宣言以降、すべてのイベントをオンラインストリーミング型またはハイブリット型(オンライン&オフライン)の2種に完全シフトしました。
この傾向は新型コロナウイルス感染症の収束後においても続き、それがスタンダートになるのではないかと考え、本サービスの開発に踏み切りました。
――本サービスの開発にあたり工夫した点はありますか?また苦労したことがあれば教えてください。
開発時に重視したのは、オンラインで行うことの利点を最大限に活かし、クライアントさまがスムーズに、そして効率よく情報を届けるためにはどうしたらよいかという点です。3DCGを駆使することでコストを削減し、リアルで制作するよりも、ブランドの世界観を表現できる幅が広がるよう意識しました。
また、一回のイベントで生まれる制作物の廃棄などもできる限り削減できるよう努めたいという思いから、繰り返し使用できる素材や制作物の活用も模索してきました。リアルの造作物が減ることにより、環境負荷削減にも大きく貢献できると感じています。
一方苦労したのは、企業の動画などを制作していたイベント制作部門・VECKSに、イベント運営の経験が多くなかったことです。経験値のあるPR事業部門と協議を重ね、イベントの世界観を3DCGで実現する映像パターンをいくつか制作し、経験の少なさをカバーできるようにしました。
――バーチャル発表会をこれからどのようなサービスに成長させていきたいですか?
今後も、オンラインでのコミュニケーションや、時間や場所にとらわれないフレキシブルなコミュニケーションがさらに加速していくことが予想されます。バーチャル発表会は、クライアントさまが情報発信方法をオフラインからオンラインにシフトしていく中でその取り組みをスムーズに進め、より最適な方に、情報が届いていく状況を創出するための一助となるサービスを目指しています。
これからも、ベクトルグループのさまざまなソリューションを活用しながら時代に合わせた最適なサービスをご提供することにより、クライアントさまの良いモノを“効率よく”世の中に広めていけるよう取り組みを進めてまいります。