ACTANTとzeroinon、オンライン型デザインリサーチツール「CoMADO」正式提供開始

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2022/11/25 13:00

 サービスデザインをベースとしたデザインファーム「ACTANT」とIT関連スタートアップ企業の「zeroinon」は、⽇本企業へのデザインリサーチの浸透を目指し、その第1弾として、オンライン型デザインリサーチツール「CoMADO(コマド)」正式版の提供を開始することを発表した。

 CoMADOとは、生活者の行動や彼らを取り巻く環境を「観察」し、「対話」を通して「洞察」ができるオンライン型デザインリサーチツール。観察者は、プレゼンターが CoMADOで中継する映像を見て、「ここ、そこ」と指を差しながら生活者に問いかけが可能。その問いかけをきっかけに起こる対話を通して、インサイトを集めることができる。また、多人数が同時に参加できるため、ひとりでは気づかないアイデアやインサイトを共創型で導き出すことができる。同ツールを利用することで、従来、生活者の潜在的ニーズ発見のために専門家が培ってきたデザインリサーチのスキルを、誰もが容易に習得・実践できるようになる。

 同ツールの特徴は、次のとおり。

誰でも使える直感的なインターフェース

 ルームURLをクリックするだけで、PCやスマホ・タブレットのブラウザから誰でもすぐにCoMADOに参加可能。プレゼンターの中継画面では、クリック、長押しのアクションで誰でも容易に興味関心を示すことができる。プレゼンターの位置情報を地図上で確認したり、ふせんへのメモ記録など、わかりやすい操作で、使いやすい機能が準備されている。

リサーチで共創を促す仕掛け

 リアルなリサーチの現場と同じように、CoMADOの画面に向けて「ここ、そこ」と質問ができる指差し機能や興味関心を伝えられるハート機能により、その場で言語化できない潜在的興味や関心をプレゼンターに伝えることが可能。そのアクションが対話を生み出し、深い洞察を得ることにつながる。また、リサーチ中の発見をふせんに記録し、リサーチ後の共創ワークに活用することもできる。これらの機能が参加者のリサーチへの参与度を向上させ、共創をうながすことが期待される。

洞察効率を向上させる仕組み

 CoMADOは、オンラインホワイトボードMiroと連携し、リサーチ後の共創ワークまで一気通貫で実施ができる。リサーチの記録は、Miroボード上にすべてタイムラインに自動で配置。リサーチ直後にMiroボードを開くだけで、すぐに共創のワークを開始することができる。また、リサーチの記録の検索も可能(指差し・ハート・ふせんなどの記録形態、参加者名、キーワードで検索可能)。洞察の共有や整理、洞察を活かしたアイデア発想など、リサーチ後の共創体験までも、トータルで提供する。

企業のデザインリサーチ導入を後押しする支援体制 

コミュニティ

 CoMADOは、オンライン型デザインリサーチの可能性を探索するコミュニティにより支えられている。コミュニティには第一線で活躍する多彩なデザインリサーチャーが集まり、企業のリサーチ支援やCoMADOの活用を容易にするためのリサーチレシピの開発を行っている。現在、ACTANT、mct、コンセントのメンバーが集まり、組織横断型でコミュニティを構成している。

コミュニティが開発するリサーチレシピ

 デザインリサーチャーが開発したCoMADOを活かしたリサーチプログラムをリサーチレシピ集として公開。まちづくりから、働き方リサーチまで、幅広いレシピを揃えている。リサーチの目的に沿ったレシピをベースに、アレンジをしながら利用することも可能。また、レシピを開発したデザインリサーチャーにリサーチの支援を依頼することもできる。