webtoonとは、おもにカラーで制作される、縦スクロール型コミックのことです。韓国から生まれた新たなエンターテイメントのフォーマットであり、webtoonという言葉は知らなくても、読んだことあるという方は日本でもかなり増えてきました。webtoonでもっとも売れている作品『俺だけレベルアップな件』は月間の課金額が国内だけで2億円を超えています。
また東アジア、東南アジア、欧米でも急激に成長しています。グローバルの市場規模は、2021年時点では36億7,347万ドル(約4,400億円)ですが、2028年には262億1,359万ドル(約3兆1,500億円)になると予測されています(参考記事)。
最近では少しずつ日本発のwebtoonが海外でも配信されるようになっているため、これからのクリエイターにとっては、国内のみならず海外からの印税収入が期待できる点も魅力のひとつでしょう。
国内の制作状況とwebtoonの制作スタイル
2021年あたりから国内でも多くの企業が参入しており、電子書籍プラットフォームはもちろん、アカツキグループの「Hykecomic」やグリーグループの「DADAN」など、webtoonを扱うプラットフォームはどんどん増えています。そのため作品制作のニーズは急激に上がっている一方、制作できるクリエイターは不足している状態です。
また、『俺だけレベルアップな件』しかり、国内でもヒット作品のほとんどが韓国・中国産。まだ日本発のヒット作はそれほど出ておらず、日本の漫画やアニメ、イラストクリエイターにとっては、間違いなく新たなチャンスとなっています。
webtoonは、週刊連載かつカラー作画が基本となり分業制で制作することが多いため、個人で出版社や電子書店に持ち込むのではなく、webtoon制作スタジオに所属し制作することが一般的です。アニメーターがアニメスタジオに所属するイメージに近いですが、所属と言っても、社員になるのではなく業務委託契約を結ぶケースが一般的です。「SHINE Partners」や「フーモア」など国内でも50を超えるスタジオがあり、Mintoでもwebtoonスタジオ事業を行っています。
従来の漫画制作とは決定的に異なるのは、クリエイターが、原作、ネーム、キャラ線画、背景線画、着色、仕上げといった工程の一部を担う点です。漫画で連載を勝ち取るためにはあらゆる工程を一定レベルで、かつひとりでこなさなければなりませんが、webtoonは得意な工程に集中して連載作家になることができるため、クリエイターが活躍する選択肢が増えたと言えるでしょう。