FigJamの“ツール推し”をきっかけに、メンバー主体で社内横断の学習機会を創出する方法とは

FigJamの“ツール推し”をきっかけに、メンバー主体で社内横断の学習機会を創出する方法とは
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 FigmaやFigJamを活用するDMM.comが、その効果的な活用や実践法について解説する本連載。第2回は、「社内横断の学習機会を創出する方法」についてです。

 こんにちは。DMM.com プラットフォーム開発本部のUIデザイナー兼POの古川です。Developer Productivity Groupのフロントエンドチームに所属し、プラットフォーム領域で導入を進めているデザインシステム「Turtle」の開発に関わっています。

 近年では、目まぐるしい市場の成長や激しい競争のなかで、スキルアップになかなか時間が取れずに視野が狭くなってしまったり、情報量が多すぎるあまり疲弊してしまったり、ということも多いですよね。個人の能力だけでは、クリエイターとしての市場価値を向上させていくことが難しくなっていると感じています。

 そのため、チームや組織で積極的に学びのコミュニティをつくり楽しくかつ効率的に学習していくことは、企業やいちクリエイターとしての生存戦略を考えても、効果的な方法だと思っています。

 今回は、私のようにツールの「推し活」をきっかけに、いち社員が社内横断で学習機会を創出できた事例について紹介していきます。

後押しになったDMMのTech Vision

 事例を紹介する前に、DMMのTech Visionについて少し触れたいと思います。私が中途入社した2023年4月時点で、DMMがテクノロジーの革新を推進するためのビジョンを掲げていることを知りました。

 このビジョンには、組織とともに成長するエンジニアやデザイナーの育成の意図も含まれているように感じられ、次のような項目があります。

変化を楽しもう EVER-CHANGING

  • Agility : おそれず機敏に動く組織をつくる
  • Scientific : 論理的な思考で事業をつくる
  • Attractive : 妥協せず魅力的なサービスをつくる
  • Motivative : 意欲的に成長する自分をつくる

 このビジョンを「変化を恐れずにアップデートしていけるサービスや組織を目指している」と私は解釈しています。

 また、一般社員レベルで大きな成果を上げて評価をもらうことはかなり高いハードルだと思います。しかしこのような行動目標があることで、成果と行動の2段階で評価してもらえるため、自己効力感を高める効果も感じていますし、今回の事例でもこのビジョンが後押しになっています。

きっかけはチーム内でのFigJam活用

 ツールの“推し活”をすることになったきっかけは、チーム内でAI機能を調査するためにFigJamを導入したことでした。弊社では当初FigJamを利用しているチームがそこまで多くはなく、組織・部署・開発プロジェクトごとにさまざまなツールを使っていました。そのような状態が慢性化しているのは、大きな組織ではとくによくある話ではないでしょうか。

 さまざまな情報を収集するなかで、そのチームの都合によって適切なツールを選択しているケースもあるとは思いますが、昔から使っているから、という理由だけで利用しているケースも多くあります。

 FigJamを使ったとき、私はチームでの利用を通して、かゆいところに手が届く機能や、チーム内のポジティブで盛んな交流を生み出す仕組みがあったり、ユーザー体験への配慮がなされていたりなど、FigJamが私たちの目指すチーム像にも適しているツールだと感じました。

 ぜひ継続して利用していきたいと思っていたなか、私のチームでは入社時から別のツールも契約していたため、上長からは「どこかのタイミングでツールをひとつに絞りたい」といった話も挙がっていました。「このまま何もせず FigJam を諦めたくない!」という気持ちに突き動かされ、使ったことがないメンバーもFigJamに触れることができるワークショップを企画しようと思い立ちました。

 そこで、まずは Figma社の強みやツールの利便性について詳しい人からも情報収集をしようと、問い合わせをしました。この時に、Figma社の担当者の方にも協力していただけることになり、共同でワークショップを企画し、実施する計画を立て始めました。

想像以上に反響が大きかったワークショップ

 前回の記事を執筆したVPoE室の河西さんにも相談し、「取り組んでみないとわからないので、まずはやってみてそこから改善のサイクルを回していけば良いのではないか」と背中を押してもらえました。

 実際に、えいや!という気持ちで行ってみたワークショップは非常に好評で、クリエイター以外のメンバーも含め参加者は40名近くにのぼり、開催後のアンケートには「とても良かった!Figma もやってほしい!」といった声も寄せられました。ワークショップの内容は、オープンセッション機能を使い、実際にツールを触りながらFigJamの機能について理解を深めていくというもの。初めて触る方でもスムーズに使えるような設計にしていきました。

 ツールや活用事例の紹介をメインとするワークショップは2回行い、これをきっかけにFigJamの活用や質疑応答ができるSlack チャンネルも作成。現在では私が発信をしなくても、チャンネルの参加者たちが自由に機能に対する質疑応答をしたり、情報共有したりする流れができてきました。

 ワークショップを2回行った結果、社内のライセンス購入ユーザー40名の増加に貢献できました。個人の思いから始まった取り組みでしたが、社内のさまざまな人に相談するなかで、ツールを一元化してコストを最適化するなどの目標を立てて活動しているチームがあったこともわかりました。途中からは「会社への貢献」を目的としたツールであるとロジックを固めて伝えたことで、共通のゴールを持ってWin-Winな協力関係を構築することができました。

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